2013年11月21日(木)
自分の問題としての秘密保護法 [時事]
◎京都新聞11月19日朝刊
こう見る 特定秘密保護法案
住民の基地監視に圧力 龍谷大教授 松島泰勝さん
特定秘密保護法案は、憲法の定める「知る権利」を揺るがす危険な法案だ。特に在日米軍基地の74%が集中する沖縄にとって、重大な問題をはらんでいる。
沖縄は長い間、「軍事上の秘密」の犠牲になってきた。戦時中は当時の軍事保護法の特別地域に指定され、多くの沖縄の人々がスパイ容疑で日本軍に虐殺された。中には、沖縄の言葉を話しただけで疑いをかけられたケースもあった。何が機密なのかはっきりしないまま罰せられる恐ろしさを県民は知っており、自分の問題として捉えている。
法案の第1条に「我が国及び国民の安全の確保に資する」目的とあるが、沖縄にとって基地は安全に資するどころか命や生活を脅かす存在だ。基地の外でも状況は同じで、2004年に米軍ヘリが沖縄国際大に墜落したときは、日本の警察は現場に近寄れず治外法権状態だった。日常的に「機密の塊」に接して暮らすことを強いられる中で、地元メディアや市民、研究者はさまざまな手だてを講じて基地の実態や訓練の情報の入手を試みている。
04年にキャンプ・ハンセンで戦闘訓練施設の建設が始まった際、周辺住民がやぐらを組んで監視活動を行ったが、地元紙の取材に対し、内閣情報調査室は「軍事情報の不正取得になり得る」との見解を示した。事故が続いた新型輸送機オスプレイの配備計画も地元紙が1992年に報じたが、国は否定し続けた。今回の法案の条文や国会答弁を見ていると、こうしたことも安全保障上問題があると処罰の対象になりかねない。
いま沖縄は、米軍普天間飛行場の県内移設に対し、県知事をはじめ保守層も含む幅広い県民が反発している。政府が従来とってきた「アメとムチ」の政策はもう通用しない。だからこの法案は、沖縄の反基地の動きをターゲットにした圧力だと受け止められている。
近年、日米防衛協力強化の影響が沖縄以外でも目立つ。高島市で先月、オスプレイ飛行訓練が行われ、京丹後市では米軍レーダー基地計画が進む。周辺の住民がこれらの情報を知りたいと思うのは当然だ。悪用する目的でなく、家族や地域を守るための活動までが敵視されるのは絶対におかしい。 (聞き手・道又隆弘)
■ まつしま・やすかつ 1963年沖縄県生まれ。専門は島嶼(とうしょ)経済論。著書に「沖縄島嶼経済史」「琉球独立への道」など。
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消費税増税法案に比べると、秘密保護法案はどうもピンとこなかった。方や、すべての物の値段を一気に値上げするという法案。一方は、国家機密をどうたらこうたら・・・もう分からん。物の値上げは身近で実感しやすいが、国家機密ってそんなもんと私らがかするかい?
でも、松島先生の解説は分かりやすかった。私がこないだの日曜日に行った「高江ヘリパッド座り込み」の座り込み、パトロール、脚立からの視察など、この法案にひっかけようと思えば簡単にひっかけられそうだ。
こう思えば、少しは自分の問題として考えることができた。
そうか、この法案は「国が庶民にいちゃもんをつけ、逮捕拘束する」ための法案なんや。そうですよね、法案を通したい議員さんたち。
「沖縄には、日本が抱える問題のほとんどすべてが凝縮されている」と、45年ほど前に私の姉が教えてくれた。今、その言葉がほんまやなあと思える。
これからも、もっともっと沖縄のことを勉強したい。
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【今日のきく】
今日も昼前から、寮の管理人代理のバイト。
「走るヒマがないなあ」と思っていたら、銀行に行く用事ができた。
「往復で1kmくらいしかないけど、なんにも走らんよりはましか。」
「きく、行くで!」
ついさっきヨメさんとの長い散歩から帰ってきたばかりのきくは、「喜んで!」
「においかぐ時間が多すぎるで。走った気がせんわ。」
まあ、きくがちょっと喜んでくれたからいいとしましょうか。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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