2012年04月27日(金)
松島先生! [沖縄]
◎京都新聞4月27日朝刊・私論公論
■ 松島泰勝(まつしまやすかつ)・龍谷大経済学部教授 1963年琉球・石垣島生まれ。在グアム日本総領事館、在パラオ日本大使館勤務などを経て2009年から現職。NPO法人「ゆいまーる琉球の自治」代表。著書に「沖縄島嶼経済史」「琉球の『自治』」「ミクロネシア」「琉球独立への道」など。
沖縄「復帰」40年
琉球人の怒り 受け止めよ
今年、琉球人が日本国民になって40年になる。「復帰」後、沖縄は内政・外交面では日本国、軍事面では日米両国による支配体制下におかれてきた。沖縄は形式上、「県」という一自治体である。しかし1879年の琉球併合で琉球人の領土が奪われ、今も沖縄限定の特別法があり、長期間、過重に米軍基地が押し付けられてきた。「県」成立の根拠法である沖縄返還協定は密約に基づき、その成立過程に当事者である琉球人、琉球政府は参加できなかった。「復帰」とは「元の状態に戻ること」を意味するが、沖縄の元の状態は日本ではなく、琉球国である。沖縄は「日本固有の領土」でもない。
1972年以降の「復帰」体制の特徴は次の通りである。?日本国による沖縄統合化の深化?琉球人の生命や生活よりも、日本人のそれを重んじ、基地負担を押し続ける差別体制?政治的、軍事的、経済的利益が沖縄から日本に流れる仕組み、つまり植民地体制。「復帰」体制の中で、日本政府から一括交付金を含む振興開発資金がどれだけ与えられても、沖縄は日本政府に依存させられ、日本の企業や移住者による支配がさらに進むだけである。
沖縄の経済は基地に依存しているのであろうか。軍関係受取は2008年度に約2084億円であり、県民総所得の5.27%でしかない。うち日本政府は、軍用地料、軍雇用員所得、そして米軍への財・サービス提供の合計約1465億円を支出している。軍関係受取の約7割を日本政府が提供し、沖縄の基地経済を下支えしているのである。日本の大手の建設会社は基地内改修工事のほとんどを受注し、利益を日本に還流している。
基地は経済活動に必要な平地を占拠し、市場経済の発展を阻害している。基地よりも基地跡地のほうが大きな経済効果を与えている。基地により逸失利益が増大し、環境的、社会的、身体的なコストや被害が生み出され、住民に不安で危険な生活を余儀なくさせている。基地は琉球人にとって抑止力ではなく、日常的な暴力の発生源である。
振興開発と基地は「アメとムチ」の関係といわれる。振興開発はアメとされるが、インフラやハコモノの維持管理費は自治体の大きな負担となり、財政赤字要因になっている。特に1990年代半ばから膨大な振興開発資金が投じられた沖縄の基地所在市町村は、今、高い失業率や生活保護率、商店街の衰退、法人税収の伸び悩み、人口減少等の問題を抱えている。沖縄県全体の経済も従属度を増している。地域に発展をもたららさず、基地を固定化させるための振興開発は「ムチ」でしかない。カネで基地を沖縄に負担させられる時代は終わった。自国の安全に米軍が必要と言うなら、日本の他府県が基地を引き受けるべきだと主張する琉球人が増えている。
琉球人は国際法で保障された人民の自己決定権を行使し、住民投票で新たな政治的地位を決定し、独自な政府や議会を設立する権利を持っている。日米両国と沖縄との支配ー従属関係を変えるという脱植民地化を進め、日本との新たな関係性が実現しない限り、普天間基地移設問題も解決しないであろう。40年間、屈辱の生活を強いられてきた琉球人は「沖縄差別」と日本人に直接言えるようになった。日本国民という枠組みによる沖縄差別減り怒りを、日本人は自分の問題としてどう受け止めるかが問われている。
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2008年11月3日、滋賀沖縄県人会の催しで松島先生の講演があった。今日の記事は、そのときのお話とほぼ同じ内容である。
講演のあと、松島先生と個人的にお話させていただくことができた。沖縄に関する知識に乏しい私の質問に、松島先生はていねいに答えてくださった。そのとき、この先生のゼミに入れるなら、今からでも大学に行きたいなあと思った。
今回の記事の「沖縄は『日本固有の領土』でもない」はすごい。これは、石原東京都知事を意識した発言でしょうか。
松島先生に興味のある方は、ぜひ先生のブログ「NPO法人ゆいまーる琉球の自治」をのぞいてみてください。
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【RUN】
午前中にレース前の最後の調整。
まず3km、13分32秒。
1kmジョグのあと、1000mタイムトライアル。今日は昨日と反対で追い風。足の動きもまずまずで、気持ちよくゴール。タイムは3分38秒。
このままのペースであと500m押して行ければ、1500m5分27秒。あきらめかけていたけれど、やっぱり明日は5分30秒切りをめざします。
1kmスロージョグをプラスで、今日は6km。
廉に、「足がパンパンやったけど、1000m3分38秒で行けたわー」と言ったら、「ふつうに速いやん」とほめられた。うれしー。
でも、ゴール後、久しぶりに気持ちの悪い変なセキが出て止まらなかった。それだけ限界近くまで力が出せたということだろうか。
もう2012年度に入っているが、私的には明日が2011年度最後のつもりのレース。がんばるぜー。
こんなかっこうで練習しています。
このあと散髪に行ってすっきりしてきました。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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