2010年09月03日(金)
この夏の思い出と後悔 [雑感]
この夏の一番の思い出は、もちろん、娘との沖縄旅行である。2年前に同じように娘と沖縄旅行に行った時、「もうこれが最後やろなあ」と思っていた。ところが、策士・パオパオはあの手この手を使い、いろいろな理由をこじつけ、真樹とは5度目となる沖縄旅行に行かせてもらうことに成功した。(この時の様子は、このブログには書きかけで現在中断中。)
この夏二番目の思い出といえば・・・。
「反核平和の火リレー・徳島」への参加である。
8月4日に参加させていただき、全行程約22kmを走らせてもらった。その様子は、このブログの8月4日のところに写真のみアップさせてもらった。リレーが終わった後のことは、続編として8月5日、6日にくわしく書いた。しかし、肝心の当日のリレーの部分は写真のみを掲載したまま放置した状態になっている。それは、どうしても書きづらいところがあったからだ。
そもそも、この「反核平和の火リレー・徳島」の存在を知ったのは、「サロマ湖100kmウルトラ」で国労闘争団四国常駐の中野勇人さんがポロッと言われたのが始まりである。その当日8月4日が、京都キャロットの定休日である水曜日だったので参加したくなった。徳島の行事に京都から参加させていただいてもご迷惑でないか、中野さんに聞いてもらった。「問題なし」とのご返答をいただいたので、大喜びで参加させてもらうことになった。
アピール行動は、少人数より大人数のほうが効果はある。大したお役には立てないだろうが、アピール行動の「にぎやかし」くらいの役には立つだろう。そんな純粋な気持ちで参加させてもらうはずだった。
ところがそのころ、私が信頼する「ランナーズ9の会」の○山さんたちが、あるアピールランにおいて「9の会」ののぼりを持っての参加を拒否される事件が起こっていた。いろいろと行きちがい思いちがいがあったようで、ここにはくわしくは書かないが、のぼり拒否の一番の理由は「通行人に対する危険」ということであったらしい。
確かに平和の大切さをアピールする行動中に、けが人など出してしまったら本末転倒である。主催者の心配もわからないわけではない。
でも、待てよ。「ランナーズ9の会」の仲間でのぼりを持って走っている人とはよく話したりするのだが、人様に迷惑をかけてしまったという話は聞いたことがない。走られる方は細心の注意を払っておられるだろうし、のぼりは布、ポールはプラスチック。暴風でも吹かない限り、人にけがを負わせるようなことは考えにくい。
そうか、これは「とりこし苦労」というやつかもしれんね。「心配しー」のおじいちゃんが、孫がかわいいあまり何でも手を出してしまうような気持ちなんかなあ。
これは、のぼりを持って走っても「だいじょうぶ」ということを実践で見てもらうしかないね。
ここらあたりから、私の純粋な気持ちが不純な方向へと変わっていった。
「何が何でも、のぼりを背負って全コース制覇!」
徳島県三好市に着くと、何人かの方から「ブログ見させてもらってます」と声をかけられた。なんてありがたいこと。ブログを通じてではあるが、私があやしいものではないということは分かってもらっている。(いや、その反対かも・・・。)
「しんどくなったら後ろに車がついていますから、いつでも乗ってくださいね。」私の歳の半分くらいのきれいな女性が親切にそうおっしゃってくださった。
「絶対に乗りません!」
(何きばっとんねん、このおっさん)と思わはったやろね。すいません。スタート時点で、もう相当入れ込んでおりました。
本当に私の半分くらいの歳の男女が、次々と「反核平和の火」をリレーしていっている。ここでは、きっちりと若い人たちに「平和の尊さ」が受け継がれていっている。
それに引きかえこの私。背中にくくりつけた「ランナーズ9の会」ののぼりを、後生大事にしながら走り続けている。偶像崇拝でもあるまいに。「私憤を晴らすため?」 バカな!
時折強風が吹き、風が前後から吹くときはまったく影響なかったが、横から受けた時は若干危なかった。「ここでふんばらにゃー。」 って、何のために?
こんなふうに、自問自答しながらのアピールランニングになってしまった。
この「反核平和の火リレー」の本来の参加者さんたちは、突然京都からやってきたこの私をあたたかかく迎えてくださり、リレー中も心配して何度も声をかけてくださった。この時は、本当に申し訳ない気持ちになった。
途中見た温度計は34℃。それでも暑さはあまり感じなかった。暑さにめっきり弱いと思い込んでいた私だが、知らず知らずのうちに暑さに耐えられるようになってきたようだ。
それよりもお腹。
高速道路が思いのほか混んでいて、中野さんとの約束の時間に遅れてしまった。そのため、ゆっくり食べようと思っていた昼ごはんは、運転しながらのおにぎりに代わってしまった。
暑さよりも空腹。
16kmすぎくらいの休けいの時、思わずこう言った。
「中野さん、何か食べるもんありません?」
「うーん、ちょっと待ってくださいよ。」
中野さんは、クーラーボックスに用意しておられた自分用のゼリーを手渡してくださった。
「ありがとうございます。」
一気に、ぐびぐびぐび・・・。
この後、私は急に元気になり、自分用のゼリーを取られてしまった中野さんは急に元気がなくなった。すんませーん。
そして、無事ゴールのJR阿波池田駅前へ。
ゴールした私の感想は、「みなさんにご迷惑をおかけし、自己満足のためだけに走り切ったアピール行動になってしまいました」という感じ。そういう意味で、本来の参加者のみなさんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
1ヶ月もこの記事について書けなかったのは、こういう理由です。
でも、性懲りもなく言わせていただくと、「よっぽどの強風が吹かない限り、のぼりを持ってのランニングは危険ではありません。」
だから、もう細かいことで意地を張り合うのはやめて、みんなで安全に気をつけて楽しいアピールランをやって行きましょうよ。
以上。
【追加】 「ハゲ仕掛けと人間の心がない・・・」
私とヨメさんの会話。(また怒られるかも・・・。)
「こないだの徳島の『反核平和の火リレー』でな、ボクのハゲネタで盛り上がってしもたわ。」
「なんで?」
「サロマの前夜交流会で撮ってもらった写真でな、ボクが下向いてるやつがあったんやけど、それが脳天ハゲハゲで・・・。
それでな、徳島走ったとき暑かったやん。そやし、しょっちゅう頭に水かぶってたんや。そしたら、中野さんが『藤井さん、そろそろ帽子をかぶったほうが・・・』とか、『だいぶ落ち武者度アップしてます』とか。中野さんが、あんなにハゲネタで楽しんでくれはるとは思わんかったわ。ほんま、喜んでもらえてよかったわ。ハゲてもみるもんやなあ。」
「わけ分からんわ!」
「それより、アンタ、中野さんの用意してたゼリー、取り上げてしもたんやて。」
「そうなんや。あれは気の毒やったわ。『何か食べるもんありません?』て聞いた時、ちょっと間があいたんや。あれは、中野さんの葛藤を表してたな。この大事な切り札を、他人に渡すべきか渡さざるべきか・・・。」
「なんで途中でなんか買わん?」
「そやねん。そのちょっと前にコンビニがあってな、立ち寄るみたいにゆうてた人もあってん。ところが素通りや。もうこれでガックリきてしもてなあ。」
「アンタのこっちゃし、中野さんに分けんと一人で全部食べたんやろ。」
「そのとーり。最後の一滴までしぼりきっていただきましたー。そのあと、中野さん、みるみる元気がなくなってなあ。顔がまっかっかになって、めちゃくちゃしんどそうやったわ。」
「なんちゅうやつや。人間の心を持ってへんやつって、アンタみたいな人のことをゆうんやわ。」
「まあ、サルに近いかも・・・。」
「それは、サルに失礼やで。」
この「ゼリー横取り事件」も、「反核平和の火リレー・徳島」でのもうひとつの大きな後悔でした。
(せめて、中野さんと半分こしといたらよかった・・・。)
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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