2020年05月28日(木)
リバティおおさか [平和]
◎朝日新聞5月26日
「ネガティブ、偏向」と補助削減 展示に口出しする維新
部落問題を中心に人権問題を総合的に取り上げてきた大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)が、最後の一般公開を終える今月末、35年の歴史にいったん幕を下ろす。大阪府知事だった橋下徹氏が問題視したことが端緒となり、26日午後の大阪市議会で関連議案が可決された。関係者からは無念の声が上がる。
「知識不足による偏見はいつの時代でも起こる。知ることで偏見は減らせるので、別の場所でも博物館を存続してほしい」。博物館を訪れるのは2回目という、さいたま市見沼区のタクシー運転手、楠本峰生さん(62)は話した。新型コロナウイルスの感染拡大で3月から臨時に休館していたが、今月25日から31日まで、最後の一般公開が無料で行われている。
博物館は1985年、大阪府や大阪市、部落解放同盟府連合会などが出資する財団が、被差別部落への差別や偏見の解消に向けて開いた。被差別部落出身の教師の苦悩を描いた島崎藤村の小説「破戒」の初版などが並ぶ。
展示は部落差別問題だけでなく、在日コリアンやハンセン病、公害、性的少数者など12分野に広がり、世界でも珍しい人権問題の総合博物館だ。朝鮮の人々が日本の植民地支配に抵抗する三・一独立運動のビラや水俣病を世界に伝えた米国人写真家の故ユージン・スミスのオリジナルプリントもある。所蔵資料は約3万点、総来場者は約170万人にのぼる。
博物館をめぐる状況が大きく変わったのは、橋下氏が大阪府知事に就任した2008年だ。橋下氏は「展示内容が分かりにくい。公金を投入する意味を感じない」「差別、人権などネガティブな部分が多い」と見直しを求めた。府と市は13年、年間計1億〜2億円程度だった運営補助金を全廃した。
橋下氏は財政改革の一環として大阪市長時代の15年、博物館を運営する財団に対し、無償提供していた市有地からの立ち退きと賃料相当の損害金の支払いを求めて大阪地裁に提訴。財団は「行政権力の乱用」と反論したが、地裁は今年3月、市が賃料相当の約1億9千万円を免除する代わりに、財団が土地を明け渡すという和解案を提示し、双方が受け入れた。
26日の市議会では、和解案を… (以下有料記事)
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行ってきました、維新のいちゃもんで今月末で立ち退きとなる「リバティおおさか」(大阪人権博物館)へ。
行ってよかった。
あと3日で立ち退きです。
この先どうなるか分かりません。行ける時間のある方、ぜひ行ってください。
「昼から、大阪行ってくるわ。」
「何しに?」
「リバティ大阪が5月末で立ち退きで、もう見られへんようになるかもしれんねん。」
「なに、それ。」
「大阪人権博物館。橋下さんがいちゃもんつけて、つぶしにかからはってん。」
午後1時過ぎ出発。
四条大宮の近くで上限610円という駐車場が見つかったので、そこまで車で。めっちゃ細い路地をさまよいまくってやっと到着。安いのには訳があるんですね。
阪急・大宮駅から梅田へ。JR環状線に乗り換え、「芦原橋」駅へ。聞いたこともない地名だったが、京セラドームがある大正駅の次の駅だった。この区間は180円。
2時間もあれば行けると思っていたが、実際は2時間半かかった。
中に入るとすごい人。私ぐらいの年代の人が多かったが、子ども連れで家族で来られている方も何組か見られた。
人権にかかわる数々の展示物があったが、展示室内は撮影禁止。
こういうところはいくら説明しても説明しきれない。実際に見てもらわんことには。
私がまず見入ってしまったのは、「水俣病」のコーナー。つい最近、石牟礼道子さんの「苦海浄土」を読んだところだったので。
次に見入ったのが、「沖縄」。
ここはもっと展示を増やしてもらいたいと思った。今の若い子は、沖縄が外国扱いやったことなど理解できないと思う。
そして、一番時間をかけてみたのが「いじめ」のコーナー。「いじめ」で自殺した子どもらの写真、プロフィール、書き置き、日記、作文などが展示されていた。ここはゆっくり全部見た。
「差別、人権などネガティブな部分が多い」と見直しを求めた・・・って。なにをゆんとんねとしか言えない。
よく「人権派弁護士」と言われるのを聞くが、今やコロナタレントとして大活躍の橋下弁護士、吉村弁護士のことを「サラ金派弁護士」と呼んでいる人もいるらしい。
橋下氏は「展示内容が分かりにくい。公金を投入する意味を感じない」と発言したそうだが、それはあなた個人にとってのことで、みながみなそう思っているわけではない。
今まで続いてきた歴史をすべて「既得権益」のひと言で片付けて破壊していく。そんなことで広い考えなど身に付いて行くのだろうか。
私は「心に引っ掛かる何か」を見せてもらえるだけでも、かなり価値のある施設だと思う。そういう機会を次々とつぶしていくのはやめてほしい。
関連書籍が販売されていて、買いたいなあと思ったけど高くて買えなかった。
現在500円の入場料が無料なので、「せめて1000円はカンパ箱に入れて帰ろう」と思っていたのに忘れてしまった。申し訳ないので、郵便振替で送っとこ。
誰かと来ていたら、顔を入れて記念撮影したいところ。
これも撤去で、こわされるんでしょうね。
約1時間半で閉館の5時になってしまった。
「証言の部屋」というコーナーで20名以上の証言者の話(ビデオ)を聞くことができたのに、時間がなくなってしまい聞けなかった。これが惜しかった。もっと早く行かなあかんかった。
「リバティおおさか」は、芦原橋駅から新なにわ筋を500mほど南下し、西に右折して100mちょっと。
来るときは急いでいて気づかなかったのだが、その右折した先の歩道に人権関連と思われる像がたくさんあった。
子どもたちが「リバティおおさか」に行くときは、この像を見て「なんや、なんや」と言って盛り上がるんでしょうね。「リバティおおさか」がなくなったら、この広い歩道やこの像はどうなってしまうのでしょう。
駅まで歩いているとき、「人権博物館」てもっと大規模にしてええくらいやと思った。
敵視する人たちを説得することも大事だが、今は賛同するひとたちの力を集めて再建してほしい。「何かに気づくチャンス」がどんどんなくなっていく世の中は悲惨。
JR大阪駅から阪急梅田駅に向かう通路にはたくさんの人。
私も他府県移動なので自粛対象ではあるが、今日は「不要不急」ではない。今日しか行けないところに行けて、いろいろなことが考えられてよかった。
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【追加】今日(5月29日のツイッターより)
るまたん @lematin·5h
リバティおおさかの件、最も悪質なのはここがかつて差別を受けていた人たちがお金を出しあって土地を買い、小学校を建てて大阪市に寄付したところだ、という点。
それ大阪市が勝手に用途決めていい場所なんですか?
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【今日のきく】
大阪から帰ってきたのが7時前。帰りは2時間弱で帰ってこれた。
きくの散歩が行けてないということだったので、急いで大きな公園へ。
きくはなぜか柵の下とかに挟まるのが好き。
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【RUN】
「夜に走るのはヤメ」と決めていたのに、今日は時間がなく9時過ぎにスタート。
比較的安全なご近所をグルグル5km、31分50秒。
心配していたお腹もグルグル言い出したが、なんとか走れた。
「もうほんまに夜走るのはやめよう。」
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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