パオパオだより

2014年07月15日(火)

戦争は過去のことではなく未来のこと [時事]

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米軍普天間飛行場から離陸するKC130空中給油機=15日午前9時47分、沖縄県宜野湾市

◎京都新聞7月13日朝刊・コラム「暖流」

 
   目には見えないけれど     立命館大教授 津止正敏

 障害者の多くは「戦争及び他の形態の暴力の犠牲者である」(1979年、国際障害者年行動計画)。戦争のない平和な社会でしか人びとの人権と福祉は守れないということだが、このメッセージが葬り去られようとしている。

 「早く子ども産んだほうがいいのかな」「私の子どもや孫の時代はどうなるんだろうね」。娘が不安げに呟いた。サッカーのメッシやネイマールというスター選手の凄さをひとしきり解説した後にふと漏らした不安だ。昨年結婚したばかりなのだが、子どもの話は聞いたこことはなかった。「時代」などという社会性のある言葉も口にしたことはない娘なだけに驚いた。そうなんだ、この子たちにはもう戦争ということが過去のことではなく未来のこととして迫っているんだ。

 2000万人の他国の命を奪い、自国の300万人以上の命を犠牲にした先の戦争。その深い反省から不戦と平和の誓いが生まれ、戦後がスタートした。もうすぐ70回目の8月15日がやってくる。人でいえば古希、みなで祝福すべきこの国の節目の年を、すべてリセットするかのような形で迎えようとしている。それもたった一回の閣議決定だけで、といえばやはりおかしい。

 ブラジルでサッカーワールドカップが開催されているこの時期に、深夜手に汗握り世界のスーパープレーに酔いしれているこの時期に、ドタバタと戦争できる国への仲間入りを決めた。やはり間違っている。まるでクーデターだ。軍部の暴走とは違って目には見えないけれど根っこは一緒だ。

 これでいいのかな。本当にこれで大丈夫なのかな。本質はいつも見えるものの奥深くに潜んでいる。誰の目にも見えるようになるにはずいぶんと時間がかかる。厄介なのだ。だから気付いた人が気付いた時に気付いたその事を、思い切って拡散していくしかないのだ。

 今日も中東のパレスチナ自治区ガザでは空爆が続き、女性3人と子ども4人が死亡したとの報道が流れた(7月10日)。これが戦争のリアリティーだ。

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■つどめ・まさとし氏
1953年、鹿児島県生まれ。立命館大学教授。大学院社会学研究科修士課程修了。
京都市社会福祉協議会(地域福祉部長、ボランティア情報センター長)を経て、2001年から現職(立命館大産業社会学部教授)。2009年3月に「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」を発足させ、事務局長を務める。著書に『ケアメンを生きる−男性介護者100万人へのエール−』『男性介護者白書―家族介護者支援への提言−』、『ボランティアの臨床社会学―あいまいさに潜む「未来」−』、『子育てサークル共同のチカラ−当事者性と地域福祉の視点から−』など。
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 津止先生は私の2歳上。結婚されたばかりの娘さんがおられるとのこと。
 私にも来月20歳になる娘がいる。そんなに遠くない未来に結婚し、子どもも産むだろう。そして私がこの世から消え去ったころに、孫(私にとってのひ孫)ができているかもしれない。私の息子や娘、その将来の奥さんやダンナさん、そしてその子や孫に「絶対に戦争しない国」を引き継いでいってもらわなくては・・・。

 私は58歳のこの年まで、戦争の恐怖を味わうことなく生きてこれた。私にとって戦争は、自分が生まれる10年前に終わった過去のものだった。しかし7月1日、集団的自衛権行使容認の閣議決定が成され、戦争できる国への仲間入りを決めてしまった。
 憲法9条に手をつけずに戦争ができる国に変えられるとは。そんな詐欺まがいの政策に協力する政党があるとは。ここ数ヶ月は本当に「まさかまさか」の展開だった。そして7月1日から、「戦争は過去のことではなく未来のこと」になってしまった。

  今の私たちにできることは、津止先生がおっしゃるように「気付いた人が気付いた時に気付いたその事を、思い切って拡散していくしかない」。
 私ももっともっと勉強して、気付いた時に気付いたことをこのブログを使って拡散したり、アピールランをして拡散していきたい。

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【RUN】

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 夕方6時すぎ、ちょこっと走りに。
 左アキレス腱は相変わらず痛む。しかし、それより首をしめつけられるような息苦しさ。
 こないだテレビのクイズ番組で言っていたが、京都市が全国一真夏日が多いらしい。こんなナンバーワンいらんにゃけど・・・。

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 いつもの5kmコース。
 行きはアキレス腱が心配でそろーりそろーり。また1km6分17秒もかかった。
 しかし徐々に痛みがましになり、折り返しが15分02秒だったのに帰りは13分55秒で28分57秒。ちょっとはましになってんのかなあ。

 またエルちゃんクーリングダウン1kmで、今日は6km。

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【今日のきく】

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 「廉ちゃんのバイト先のワンコに因縁つけたったー。へへへー。」
 「それ、あかんやろう・・・。」

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2014年07月12日(土)

辺野古は巨大な永久基地 [時事]

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 沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ=6月28日、共同通信社ヘリから

◎京都新聞7月12日朝刊 

   辺野古に未公表施設 
          内陸で計画 兵舎30棟以上

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先の同県名護市辺野古で、滑走路建設のため埋め立てる沿岸部のほかに、内陸部に施設を建てる未公表の計画図案を盛り込んだ米政府内部文書を11日、共同通信が入手した。2008年に作成された文書で、貯水池を囲む森林地帯に、これまで地元にも説明していない兵員宿舎など30棟以上を建てる計画になっている。(共同通信)

 かつて日米交渉に携わり、計画図案を見た米国防総省関係者は「6年前の草案だが、今後基本的にこの線に沿って建設事業が進むだろう」と述べた。専門家は「機能強化された巨大基地の姿がうかがえる」(我部政明琉球大教授)と分析しており、地元が懸念する基地機能拡大の可能性を示す内容だ。名護市の稲嶺進市長は内陸部の建設計画について「聞いたことがない」と言明した。

 米国防省関係者によると、米側は防衛省と事業者の沖縄防衛局に対し地元に全体像を説明するよう早くから求めてきたが実現していない。米政府内に「透明性の観点から日本側の対応は問題」との声もあるという。

 計画図案には、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の埋め立て地にV字形滑走路や駐機場、格納庫、燃料施設、爆薬搭載エリアがあり、この点はすでに公表されている。しかし計画図案は、キャンプ・シュワブに通じる国道329号線の内陸側の森林地帯に新設される多数の軍関連施設を明記。水源である辺野古ダム貯水池の周辺に兵員宿舎、運動場などが描かれている。

 この森林地帯はキャンプ・シュワブの一角で、米軍が演習などに使用している。日本政府のこれまでの説明では移設事業のための「埋め立て土砂の採取区域」とされており、施設の建設予定地にはなっていない。

 防衛省は11日夜、計画図案について「承知していない」と回答した。  
  
      
   
  
  

 

 

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   地元無視 怒り 「移設でなく基地強化」

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、代替施設建設事業に未公表の建設計画図案があることが明らかになった。

 水面下で基地拡大の構想が進められている可能性がある。地元を無視したやり方に、名護市は強く反発。稲嶺進市長は、真相を明らかにするよう防衛省に要求する構えを示した。

 「さもありなんだ」。稲嶺氏は建設計画図案を食い入るように見つめた。図案は、内陸側の辺野古ダム周辺に兵員宿舎などを次々と立てる構想。辺野古沿岸部の埋め立てに使う土をダム周辺で採取し、平坦になった跡地を何かに活用するのではないかー。稲嶺氏の懸念が的中した形だ。

 「巨大な永久基地になる」と懸念するのは移設問題にくわしい名護市の大城敬人市議。「単なる移設ではなく、基地機能の強化だ。政府は県民をだましている」と訴えた。

 沖縄には在日米軍軍用施設の約74%が集中。政府は沖縄の基地負担軽減を口にする一方で、普天間の辺野古移設を着々と進め、計画図案の内容は地元に伝えていない。

 「基地機能が増えると負担軽減にならないから、政府は隠したいのだ」。稲嶺氏は政府に対する不信感をあらわにし、「県民に対する差別だ。将来どうなるかまで言うべきだ」と強く批判。計画の全容を明らかにすることを求め、地元に説明がなかったことについても問いただす構えだ。

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 今日の京都新聞の一面は、「辺野古に未公表施設」。沖縄県名護市辺野古の記事が、京都新聞の一面に来ている。そのニュース自体はゆゆしき問題だが、一地方新聞である京都新聞が一面で取り上げてくれたことは心強いことだ。
 それに比べて毎日新聞の一面は「幼児教育に小1内容」、その横が「野々村県議を告発」。辺野古の記事は、一面どころかどこを探しても触れていない。
 「もうええぞ、詐欺県議の記事は。」

 一度だけお話させていただいた稲嶺進名護市長が、この問題ですごくがんばっておられる。先日お電話でお話させていただいた大城敬人名護市議もがんばっておられる。
 稲嶺さんの「県民に対する差別だ」という言葉や、大城さんの「政府は県民をだましている」という言葉を、米軍基地から遠くはなれて暮らしている私たちはよくよくかみしめなければならない。

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2014年07月08日(火)

一度戦争をしてみたかった(?) [時事]

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集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、デモ行進する人たち=京都市下京区で2014年7月1日午後、宮武祐希撮影

◎毎日新聞7月2日朝刊・京都版 

   集団的自衛権閣議決定 議論十分でない 
          府内各界からの声

◇クーデター/なぜ急ぐ/地方選挙で反対を

 ◆京都平和遺族会事務局長、大坪政明さん(70)=南丹市

 戦争をする国への大転換を解釈改憲、閣議決定で済ますのは「クーデター」であり、「ナチスの手口に学べ」という閣僚の言葉の実践だ。父は1944年にマーシャル諸島で戦死。遺骨は戻らず石ころの入った白木の箱が届き、母もショックでまもなく亡くなった。

 「再び戦没者も遺族も作らない」「憲法9条は戦没者の命の代償、遺言」との思いで遺族会の活動をしてきた。今後法整備の過程で、具体的な問題点が明らかになるはず。「大人はあの時に何していたか」と孫の代に批判されぬよう反対の声を上げ続けたい。【野宮珠里】

 ◆法然院貫主、梶田真章さん(57)=京都市左京区

 私は僧侶として「相手を殺すくらいなら殺されても仕方がない」との覚悟を持ちたいと思う。戦後の日本も、力を持つ国が主導権を握る世界の中で「とことん外交努力をし、それでもだめなら殺されても仕方ない」という方向を目指し、国民的な合意形成を経てきたはず。今回はそれを大きく変えることになる。

 人は誰しも自分を正当化したいし、守りたい。私も含めやはり人は愚かだ。それでもみんなで話し合い良い方向を目指すべきだが、今回は深い議論のないまま国の形を変えようとしている。悲しいことだ。【花澤茂人】

 ◆風刺マンガ家で東京工芸大助教のチョン・インキョンさん(40)=京都市左京区

 衆院選での自民の主な約束は経済再生で、「集団的自衛権の行使なんて公約にあったっけ」という感じだった。それなのにあまりに早く解釈変更に突き進んだ。なぜ急ぐのか。アジアの国々を巻き込んだ戦争の犠牲者の上に平和憲法がある。日本人が70年間大切に守ってきたものを、自民と公明だけで変えることは許されない。国民全体で議論を重ねる必要がある。

 韓国から来日して18年。私の感覚は多くの日本人と似てきたが、これほど大きな変化に皆が静かなことに驚く。もっと怒るべきではないか。【榊原雅晴】

 ◆京都大名誉教授(ファシズム文化論)、池田浩士さん(74)=大津市

 麻生太郎副総理が「ナチスの手口に学んだら」と発言したが、安倍政権の「解釈改憲」はヒトラーよりひどい。ヒトラーは「政府が定める法律は憲法から逸脱できる」と定めた「全権委任法」を、曲がりなりにも国会で採択し、当時のワイマール憲法を壊した。安倍政権はヒトラーですら取った「民主的」手続きを踏んでいない。

 7月1日は、日本が戦争をする国に変わった歴史的転換点として記録されるだろう。国政選挙は当分ないが、まず地方選挙で反対の意思を示し、あきらめず今回の決定を無効にすることが重要だ。【松井豊】

 ◆暗殺された戦前の社会運動家、山本宣治を顕彰する「宇治山宣会」会長、薮田秀雄さん(69)=宇治市

 JR宇治駅前で6月30日夜、安倍政権に対する抗議行動をした。黙っているわけにはいかないからだ。憲法解釈のごり押しで集団的自衛権の行使を可能にするのは、憲法の破壊だ。民主主義の一線を越えている。武力での紛争解決は、何の抑止力にもならず、際限のない軍拡競争につながるだけだ。

 命の危険にさらされる自衛隊員や家族こそ、憲法9条を無視した武力行使に反対の意思を表明するべきだ。戦場に行く可能性がある若い人は「殺し、殺されるのは嫌」と声を上げよう。【山田英之】
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 「戦争が大好きです。武器を持っていれば、一度は人を殺してみたくなるじゃありませんか。そうでしょう、みなさん!」
 とでも言ってもらえば理解できるのだが、私には「どんなことをしてでも日本を戦争をできる国にしたい」と思っておられる安倍さんが理解できない
 「平和を守るために戦争ができるようにしましょう」って、なに?

 最近、何の関わりもない人を突然殺し、「一度人を殺してみたかった」と言う犯罪者が増えてきた。あの人も案外それと同じなのかもしれない。「一度戦争をしてみたかった」と。
 このたびの集団的自衛権行使容認に対する評価がワンパターンに近い。まあ一言で言えば「姑息」。右翼系のみなさんは「姑息」な首相を恥ずかしいとは思わんのかねえ。

 ただし、「そんなに戦争がしたかったら自分が行け」と言うのはやめよう。そう言いたくなる気持ちも分かるが、これでは相手の土俵にのってしまったことになる。「戦争賛成」という自分と真反対の考えの人も、絶対に殺してはならないし死なせてもならない。

 上の5人の中では、法然院貫主の梶田真章さんの言葉が一番共感できる。
 「相手を殺すくらいなら殺されても仕方がない」
 「とことん外交努力をし、それでもだめなら殺されても仕方ない」
 7月1日、これからの日本にとって大変な局面に陥ってしまった。しかしここで腐らず、これからも梶田さんのように考えられる人を増やしていこうと思う。

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【RUN】

 台風が近づいているせいか、異様にむし暑い。
 沖縄県名護市にいる真樹は、アパートに一人じっとして台風通過を待っているようだ。

 今日は「京都キャロット」往復1.3kmを3回。ちょっとずつ走ったのだが、そのたびにすごい汗をかいた。
 左アキレス腱の外側は具合悪いまま。

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【今日のきく】

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 夜の散歩の途中、花背造園さんのウインドウ越しにネコちゃん発見。
 たぶん、「デビル」やね。元気そうでよかった。

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 うちのきくも元気です!

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2014年06月13日(金)

そんな私的な物語 [時事]

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◎朝日新聞6月12日朝刊

   (集団的自衛権)傍聴席から見た党首討論 深澤真紀氏、宇野常寛氏に聞く

 集団的自衛権の行使容認に向け突き進む首相。多弱野党の3党首は、巨大与党にどんな論戦を挑むのか。女性と社会の変化を読み解くコラムニストの深澤真紀さんと、サブカルチャー野生児を批評する評論家の宇野常寛さんが11日、国会の現場で党首討論を傍聴した。

 ■首相、自分に酔っている 深澤真紀氏

 安倍(晋三首相)さんの話を聞いていたら、頭の中にさだまさしさんの「防人(さきもり)の詩(うた)」が流れてきました。「おしぃえてぇくだぁさい〜♪」って。日露戦争を描いた映画の主題歌です。

 海江田(万里・民主党代表)さんは「総理は演説して自分に酔っている」と指摘したけど、確かに安倍さんは自分に酔ってました。「自衛隊の諸君に愛する家族がいることを私は知っている」とか「自衛隊最高指揮官として、重さと責任をかみしめている」とか。

 安倍さんは、集団的自衛権の問題では一貫して感情に訴える発言をしている。首相というだけでなく自衛隊のトップとしての意識も強いのかなと思った。軍服着て討論したらいいのに。

 全体として緊張感がなかったですね。集団的自衛権の問題は、公明党との与党協議の場にあり、それが大きな局面を迎えていることを、会場にいたみんながわかっているからです。

 与党協議の蚊帳の外である海江田さんにとっては成果を残す大事な局面だったはず。なのに発言の冒頭から「集団的自衛権」を「集団安全保障」と言い間違えて、傍聴席の失笑を買った。政府が示した15事例については「我が党は精査中」なんて。「15のうち10項目は個別的自衛権で」とか具体的に攻めるべきでしょ。何でやらないのかな。

 安倍さんは討論で「東アジアの安全保障環境が大きく変わっている」と言ったけど、靖国神社に参拝したら中国との関係が悪くなるのはわかっていたはず。安全保障環境を悪くした一人は安倍さん。自作自演といわれても仕方ない。「総理が日本の安全保障にとって大きなリスクだ」って海江田さんが指摘したのは、数少ない良かった点です。

 だいたい閣議決定での憲法解釈変更なんて、姑息(こそく)な話です。なのに安倍さんの口から語られるのは「愛する家族を守らなくていいのか」という大きな物語。姑息な話に大きな物語をつけるのは、何かを隠したいからじゃないの?

 安倍さんははっきり言えばいい。「祖父(の岸信介元首相)の宿願である自主憲法制定を成し遂げたいんだ」と。国民の多くは安倍さんの本音が、そんな私的な物語にあるのを見抜いている。

 世論を意識するなら、見え透いた大きな物語ではなく、素直に本音を語ればいい。家族の物語や泣ける話が好きな人も多いし。私の頭の中には、防人の詩が聞こえてきそうですけどね。

     *

 ふかさわまき コラムニスト・淑徳大学客員教授。67年生まれ。出版社勤務を経て98年に独立。09年「草食男子」で流行語大賞トップテン受賞。


 ■反論は具体策を示して 宇野常寛氏

 委員会室では、国会議員がやじを飛ばしあい、政治記者はしかつめらしい顔で聞いている。党首討論は、ショーアップした論戦で国会と国民を近づける目的がありますが、実際は誰が何を言うか事前にほぼ分かっている。各党のウェブサイトを読めば分かるような主張の交換が機械的に行われているだけ。存在意義がもはやないと感じます。

 その上で最初に立場を明確にすると、僕は民主党側に共感します。安倍政権の進める集団的自衛権への積極的な態度は、かえって国益を損なうのではないかという危惧が強い。しかし、この論戦における海江田万里・民主党代表の主張は空回りしているとも感じます。

 もちろん、安倍晋三首相の強引な解釈改憲は行き過ぎている。それは問題の本質ではありません。国民の多くが、強引な解釈改憲を行ってでも、緊迫するアジア情勢に具体的に対応すべきだと考えている現実がある。この現実を覆すには何より、憲法9条の精神を生かしたアジア外交戦略こそがこの危機には有効であるという具体的なプランの提出が必要です。

 しかし安倍首相の語る具体論に対し、海江田代表は解釈改憲をめぐる手続き論や形式論を繰り返すばかり。これではほとんどリベラル勢力の逆宣伝です。「強引にでも対応しないとまずい」と言う民意を背景にした意見に「強引すぎてよくない」と反論しても意味がない。

 海江田代表が語るべきは「安倍首相のプランでは逆に日本の安全保障は危機に陥る。我が党の安全保障政策ならばもっとことを平和裏に進められる」という主張ではないでしょうか。

 どうも自分たちはリベラルだという自意識をもって生きている人の多くが「自民党の宣伝戦略は感情に訴えるものが主で、自分たちの戦略は理知的であるがゆえに脆弱(ぜいじゃく)だ」と考えているように思えます。実のところ逆ではないでしょうか。

 自民党は感情に訴えかける言語と、具体案による理知的な言語を器用に使い分けている。一方で、リベラル側は「保守勢力は強権的で恐ろしい」という印象を強調すれば済むと思っている。だから通りいっぺんの形式論に終始してしまうのではないか。本日の討論ではそれが明確に表れたように思います。

 最後に、日本維新の会の石原慎太郎・共同代表は体力的にもおつらそうでしたので、あらゆる意味でそろそろ引退されてはいかがかと思います。

     *

 うのつねひろ アニメなどの若者文化に詳しい評論家。78年生まれ。批評誌「PLANETS」編集長。著書に「ゼロ年代の想像力」「リトル・ピープルの時代」など。
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 昨日から今日にかけて、泊まりで寮の管理代行のバイト。また朝日新聞を1週間分読もう、と思ったら最近の分が全然なかった。悲しい。
 でも昨日の朝刊にいい記事があった。集団的自衛権に関する党首討論を実際に傍聴した2氏の評論。
 宇野氏に関しては、今まで外のところに書かれていた内容とほぼ同じ。私には心に響かない評論だった。また、最後の一文は上から目線で不愉快。私は石原さんは大嫌いだが、引退は自分で決めることでしょう。「ほっとけ!」と言いたい。
 それに比べて、深澤さんのは分かりやすい。朝の「とくダネ!」で見慣れているせいもあると思うが、たいへん親しみやすい。
 「私のかなん人」=安倍・橋下・石原の共通点がうまく言い表せなかったが、深澤さんの言葉で得心するものがあった。3人とも国民・市民の幸せを願って行動しているのではなく、三人三様の「そんな私的な物語」を作り上げるために「そんな自分に酔いながら」生きているだけの人だったのだ。ああバカらしい。
 そんなバカらしい人たちに付き合って生きていくのはもうやめましょう。姑息な詐欺師のような人たちの話に心酔することなく冷静になって、自分が大事と思う人の命を守っていける道を真剣に考えましょう。

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2014年06月05日(木)

解釈改憲こそ妄想の最たるもの [時事]

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◎毎日新聞5月27日夕刊・特集ワイド:解釈改憲 作家・高村薫さん

 <この国はどこへ行こうとしているのか>

 ◇「妄想」が破滅をまねく

 「本当にこんなバカなこと、やる気なんですかねえ」

 「解釈改憲の先にあるもの」について高村薫さん(61)に聞きたくて、大阪府吹田市の自宅にお邪魔した。だが高村さんは首をかしげ「本当に」と何度もつぶやく。「先にあるもの」どころか、手前の「集団的自衛権の必要性」からして「まったく理解ができません。それにそもそも、憲法って解釈するものなのでしょうかねえ」と、逆に問いを投げかけるのだ。

 「今の日本って妄想だらけだと思うんです。妄想があらゆるところを覆っている……」。2時間弱の取材で「妄想」を24回も発した。

 1997年にスタートした「この国はどこへ行こうとしているのか」シリーズ。その初回、グリコ・森永事件をモチーフに日本の企業社会の闇をえぐり出した小説「レディ・ジョーカー」の出版を前に登場してもらった。

 この時、高村さんはバブル崩壊の影響とグローバリズムにさらされる日本社会について「これから『悪い時代』になっていく」と予見した。その後も「『悪い時代』が現実感を伴ってきた」(2006年)、「将来のことを考えるのがこんなにつらい時代が来るとは思わなかった」(12年)と、年を経るごとに重く、厳しい言葉で時代を評した。その高村さんから「妄想」という言葉が飛び出すのは初めてだ。

 「集団的自衛権の問題一つとっても今の時代、世界のどこに世界一の軍事大国・米国を攻撃する国があるんですか。その米国を日本が守る? そんな事態が本当に起こると思っているのか。すべて安倍(晋三)さんたちの妄想としか思えません。しかも憲法は時代を超えて私たちの思考の基礎になるもの。その時々の人が解釈するものを憲法とは呼びません。解釈改憲こそ妄想の最たるものです」。困ったことに、その「妄想」が現実になろうとしている。

 解釈改憲を急ぐのは尖閣問題で緊張する中国の存在が一つの理由らしい。「でも考えてみてください。中国との関係悪化にしても、もともとは日本の尖閣国有化に端を発したものです。それに安倍さんの靖国参拝が火を付けた。なのに『中国の出方は脅威だ』という空気の中で解釈改憲しようとしている。本来、日本の外交努力で解決できる問題のはずでこれも妄想です」

 なぜ「妄想」がまかり通るようになったのか。そう問いかけると「最近、日本の経常収支の黒字が1兆円を切ったというニュースがあった。これは実に大変なことです」と意外な方向から切り返してきた。

 12日に財務省が公表した13年度の日本の経常収支の黒字が、比較可能な85年度以降で初めて1兆円を下回り、7899億円になった。つい数年前まで10兆円以上あったにもかかわらず、だ。「すでに日本は貿易収支が赤字です。日本が国際的にどれだけもうけたかを示す経常収支ですらいよいよ赤字に陥る時代が近い。日本が右肩下がりの時代に入ったことが如実に示された」

 経済が元気な時は、人々は未来や社会に希望を抱ける。でも右肩下がりの時代はどうか。高齢化が進み、企業も生産拠点を海外に移す。年金も仕事も不安だ。10年、20年後、自分が食べていけるかも見通せず、余裕がない。

 「仮に安倍さんが『妄想』を並べ立てても、国が元気な時なら余裕があるから『妄想』だと気付くし、指摘もするし反対もする。今はみんな自分のことで手いっぱい。『妄想』と気付かないし、気付いても『まあいいや、アベノミクスで経済が良くなるなら』。そもそもみんな社会の先行きに関心がなくなった。安倍政権の言葉や政策に中身がないとうすうす分かっていても批判せず、良い方向に持っていく努力をしなくなった」

 第一次大戦後、莫大(ばくだい)な賠償金にあえぐドイツの民衆がナチスの掲げる「妄想」に吸い寄せられ、戦前の日本が「大東亜共栄圏」という「妄想」に酔って無謀な戦争になだれ込んだ歴史と、今の日本を重ね合わせるのは大げさに過ぎるだろうか。

 高村さんは視線を落とし「最悪の想定ですが、集団的自衛権が必要という妄想から覚める劇薬はある」という。

 集団的自衛権行使が認められれば、米国の戦争に日本がコミットする機会が必ず来る。そうなれば自衛隊員に戦死者が出る。あるいは自衛隊員が他国の兵士らを殺害する。戦後初の事態に多くの日本人から拒否反応が出るだろう。「ここでやっと妄想から覚める。集団的自衛権で得たものは何もない、戦死者を生んだだけだ、と」。苦しそうに表情をゆがめた。

 これ以外に「妄想」から覚める方法はないのか。高村さんは「日本社会に今一番必要なのはパブリック、つまり『公の心』です」と繰り返す。

 普通、公共心とは「自分よりも社会の利益を優先する心」と解される。高村さんのいう「公の心」はもっと広い。「愛国心」とも違うし、例えばごみのポイ捨てをしないといった公共のエチケットとも違う。「民主主義を支える、当たり前のルール」に対する心がけや思いだ。例えば少数派の権利が守られているか、きちんと法的な手続きが順守されているか、他人の権利を侵害していないか、などに気を配る目線のことだ。

 「その見方に立てば民衆だけでなく、今の政治にも『公の心』が全く欠けています。公人である安倍首相が率先して『自分の公約だから』と個人の情念で靖国神社に参拝する。『憲法は解釈で変えてはならない』のは高校生でも分かるのに、自分の妄想に従って変えようとする。解釈改憲の先には、いよいよ『公の心』が消えた荒廃した社会が広がっているのではないか」

 高村さんは「この国」シリーズで「このままではこの国はつぶれる。だから政治を変えるしかない。そのためには選挙に行くしかない」と繰り返してきた。しかし「公の心」が社会から失われれば、それこそ政治への関心も薄れ、投票する有権者はますます減るのではないか。

 「少なくとも、私は憲法を解釈で変えてもいい、と考える首相を頂くことに有権者はもっと恥じるべきだと思うのですが、違いますか」。淡々と語り続けていた声が高くなった。「結局、一人一人が社会を作っているのだ、という認識を取り戻す努力をすることに尽きる。だからやはり選挙には行く。社会で起きていることを注視する。そして子どもじゃないんだから、いくら自分のことだけで余裕がないといっても、『妄想』は『妄想』だと見抜く知恵を磨く。社会と自分の未来を守るには、これしかありません」

 特効薬はない。地味で遠回りのようでも、社会の一員としての義務を果たすことが「妄想」を克服する一番の近道のようだ。【吉井理記】=おわり

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 ■人物略歴

 ◇たかむら・かおる
 1953年大阪市生まれ。93年「マークスの山」で直木賞。著書に「太陽を曳く馬」「冷血」など。全国の地方紙などに「21世紀の空海」を連載中。
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 安倍政権は「妄想安定政権」だったのか。

 妄想から覚めるには「自衛隊員に戦死者が出る。あるいは自衛隊員が他国の兵士らを殺害する」時しかない、という高村氏の意見には賛成できない。ほとんどの自衛隊員は、そんなことをするために自衛隊に入ったのではないと思う。自衛隊員を見殺しにすることはできない。

 自衛隊員の中から「集団的自衛権の行使反対」の声が出しやすいように、私たちもがんばらねば。具体的に、どんなことができるのか。その知識がある人は、ぜひ教えていただきたい。

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【RUN】

 午後からバイトなので、午前中にちょっとだけ。
 いつもの5kmコース、26分59秒。

 あいかわらず体は重たいのだが、以前から吐き気のような感じが続いているのがちょっと気にかかる。
 またエルちゃんダウンに行った。でも、今日は犬小屋から出てきてくれなかった。

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【今日のきく】

 地球研前のお花畑で、すましているきく。

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2014年05月30日(金)

基地が地域の自発的なまちづくりを阻害する [時事]

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キャンプ・シュワブ(奥)と辺野古を隔てるフェンスに張られた移設反対の旗は3枚。翌日にははがされていた。1月の市長選のころは20枚近くあった=沖縄県名護市辺野古で4月24日

◎毎日新聞5月30日朝刊・記者の目

   [沖縄・普天間飛行場の移設問題]     政治部 上野 央絵(なかえ)

 ◇揺れる辺野古の民意

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先に名護市辺野古が浮上してから間もなく18年。移設反対を訴えて国と対峙(たいじ)する稲嶺進市長の下で、辺野古住民が揺れ動いている。住民の大半を占めるとされる「容認派」は、国を相手にした補償金要求などの「条件闘争」がままならないことに危機感を深める。一方、「反対派」はこうした容認派の焦りを背景に、自治組織として強力な決定権限をもつ辺野古区行政委員会が2010年に出した「条件付き容認」決議見直しに向けた動きを進める。「容認」と「反対」の分断状態にあった辺野古の民意は静かに流動化しつつある。

 ◇賛成と反対は「紙一重」の差

 「(区内にある米軍キャンプ・)シュワブに移設されるだけではなく、(新たに)大きな騒音を伴うことになる。補償を求めるのは子や孫のためです」。容認派で辺野古区行政委員を務める雑貨・食品店経営、許田正儀(きょだまさよし)さん(64)は、移設に伴う補償金要求について、こう話した。12年秋に普天間に配備された米軍新型輸送機オスプレイは、訓練でしばしば辺野古の住宅地上空に飛来。住民は既に騒音を実感している。県内で「条件闘争している」と批判されることに対しては「本当はうるさいのは来ない方がいいと思ってるよ。でも政府と対峙して反対してもその通りいくものではない」と反論した。

 区は今年4月14日、沖縄防衛局に対し、世帯ごとの補償金や米軍機が離着陸するヘリパッドの撤去などを求める要請文を提出した。しかし防衛局は補償の法的根拠がないことなどを理由に消極的。首相官邸にも要請するつもりだが「会ってもらえるかどうか。市長選前に移設推進派候補と訪問した時は対応が良かったが、負けてしまったから……」と危機感をにじませる。ある行政委員は「回答によっては反対闘争も辞さずだ」と漏らす。

 一方の反対派は、従来の政治色が強い反対運動団体の看板を下ろし、区に容認決議を撤回させる道を模索する。

 「賛成と反対は紙一重だと僕は思ってます。17年間やってきて」。移設に反対する地元住民の団体「命を守る会」を1997年に設立した金物店経営、西川征夫(いくお)さん(70)はこう話す。今年3月、会を解散した。選挙のたびに政治の動きに振り回され、地元住民の純粋な運動としては衰退したとの反省からだ。代わって「辺野古区民の会」を作り、住民を個別に説得して回る地道な活動を続ける。

 目下の目標が、住民の1%にも満たない18人から成る区行政委員会がまとめた条件付き移設容認決議の見直しだ。46年ぶりの選挙で昨年3月誕生した区長は、移設受け入れについて「区民の総意で決める」と表明している。西川さんは「区長を支えるのが会の役割。会単独で反対闘争など行動をするつもりはないが、市長や区長が先頭に立つならば行動を起こす」と言う。

 ◇まちづくり阻害、根強い基地構造

 今月11日の本紙朝刊ルポ「ストーリー」の取材で、こうした辺野古住民の民意の変化を感じた。一方で、基地が地域の自発的なまちづくりを阻害する根強い構造も見えた。

 「ベトナム戦争以来、辺野古は寂れっぱなしですよ」。移設容認派の辺野古商工会長、飯田昭弘さん(66)は言う。辺野古商店街は50年以上前、シュワブ建設時に米軍の協力で開発されて以来、再開発は全くなされていない。シュワブを抱えることで辺野古に入る軍用地料は区行政委員会がため込み、まちづくりには向かわない。さらには普天間移設受け入れと引き換えの振興策の恩恵もほとんどない。わずか十数店舗となった米兵向けの飲食店の店主の中には「国から補償金が出ればすぐにでも出ていく」という人が何人もいる。飯田さんは「せめて再開発のきっかけになれば」と国の補償に期待する。

 辺野古でのフィールドワークを04年から続ける明星大の熊本博之准教授(地域社会学)は「シュワブは仕方がないが、これ以上の負担は望まないというのが辺野古の声だ」と指摘する。

 基地があるがゆえに新たな基地を押し付けられる一方で、国の金がいくら投じられても地域振興につながらない辺野古の現状は、沖縄全体が抱える米軍基地問題の縮図だ。沖縄にとって基地問題は、イデオロギーではなく住民個人の生活の問題。国が「条件闘争=受け入れありき」と、辺野古の民意にたかをくくっていると、住民こぞって反対に転じ、沖縄全体の反基地感情に火を付ける可能性もある。そうしないために、国は辺野古への移設断念を考えるべき時だと思う。
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訪米を前に取材に応じる稲嶺進名護市長=15日、那覇空港

◎沖縄タイムス5月15日

   名護市長が出発「米国で沖縄の内実伝える」

 【名護】名護市の稲嶺進名護市長は15日午前、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対などを米議員や市民らに直接訴えるため、正午過ぎ、米ニューヨークに向け出発した。稲嶺市長は那覇空港で記者団の取材に答え、「辺野古移設、県内移設反対の民意を受け止め、米国でできるだけ多くの人に会い、沖縄の内実をしっかり伝えていきたい」と述べた。

 稲嶺市長は現地時間の18日まではニューヨークに滞在し、辺野古移設反対の声明を出した有識者らとの意見交換や、市民向けトークイベントなどを行う。

 その後、ワシントンに移動し、元大統領補佐官や米下院議員らとの面談など実施。日本時間の24日夜に沖縄に戻る。
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◎沖縄タイムス5月22日

   稲嶺名護市長が米で講演「住民犠牲許されない」

 【ワシントン20日=伊集竜太郎】稲嶺進名護市長と玉城デニー衆院議員は20日夜、ワシントンのカフェでトークイベントを開いた。稲嶺市長は「米国のような大きな国では、住宅地の近くに基地があるのは考えられないと思う。しかし、沖縄という小さい島だと必ず住宅地の近くに基地を置くことになる」と述べ、基地被害の実態を語った。

 稲嶺市長は「国益や国策といっても、そこに住む人たちを犠牲にして成り立つというのは、民主主義社会では許されない」と強調。玉城衆院議員は「新基地を造らないという政策をとることこそ、民主主義を尊重する政策になる」と提起した。

 参加したキャンプ・シュワブにも駐留経験があるというフランク・ダナペラさん(73)は「沖縄は米兵の暴行事件も多い。米国民は、大統領や駐日米大使らに移設反対を訴える手紙を送るべきだ」と話した。
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自身の訪米活動を振り返る稲嶺進名護市長(右)ら=現地時間22日、ワシントンのナショナル・プレスクラブ

◎沖縄タイムス5月24日

   辺野古移設「米も当事者」 名護市長帰国へ

 ワシントン22日=伊集竜太郎】米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるため訪米中の稲嶺進名護市長らは22日、ワシントンのナショナル・プレスクラブで記者会見した。稲嶺市長は「基地を造るのは日本政府だが、使うのは米軍。この問題では米国も当事者だ」と訴え、移設問題に対して、米側からの取り組みを求めた。

 自身が会談した議員や専門家の中には「(移設に向けた)手続きが進んでいるから仕方ないという人や、辺野古に造るのは厳しいんじゃないかという人もいた」と振り返った。

 移設に向けた日本側の強硬姿勢や知事の埋め立て承認で「米国では強力な印象で受け止めていると思った」と振り返った。一方で、地元の根強い反対の中で「物事はそう、うまくいかないと言いたい。そのことをぜひ分かってほしい」と述べ、理解を求めた。

 また、「いくら国防といえども、地域の一部の犠牲の上に成り立って進むものではない」と強調。「名護市民は孤立していない。世界中からも注目され、応援してもらっている。それを受けて移設反対に向け、市民の代表として前に立って闘いたい」と気持ちを新たにした。

 稲嶺市長らは同日、米議会調査局(CRS)日本研究グループや下院議員補佐官とも面談した。稲嶺市長は現地時間の23日、ワシントンを出発し、日本時間の24日夜、帰沖する。
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◎朝日新聞5月22日朝刊・声

   沖縄 米国民への訴えに意義   
               プログラマー 大畑 靖夫(熊本県 58)

 米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるため訪米した稲嶺進・沖縄県名護市長が、ニューヨークでの市民集会で沖縄の現状を伝えたことに日本国民として大変心強く思った。この行動は、安倍晋三首相の米国との軍事行動に偏った外交姿勢とは正反対に思える。

 歴代の日本の首相が米国民にこれまで何をアピールしてきただろうか。少なくとも、日米安保条約の名の下に置かれる米軍基地の、沖縄県民への過重な負担の実情については直接語ってこなかったのではないか。

 一方、米国政府が、自国の国益を優先するのは当たり前であり、米軍基地を沖縄に置き続けることが米国の国益にかなっていれば、在日米軍基地の国外移転など検討するはずもない。

 それを考えると、稲嶺市長が米軍基地が名護市民の平穏な暮らしを脅かす要因になっていると、米国市民に直接訴えたのは意義深い。

 同時にこの行動は、憲法9条の非戦の理念を広めることにもつながるのではないか。本来、日本政府が一番にやるべきことを沖縄の一市長が米国に出向き、訴えた意義は大きい。
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 最後に紹介させてもらった朝日新聞の投書欄の大畑さん。この人の言葉に尽きる。「沖縄の一市長が米国に出向き、訴えた意義は大きい」。
 私と同い年の大畑さん。いいとこ見てますねえ。会ってお話したいくらいです。

 稲嶺市長さんも「まちづくりに基地は不要」とおっしゃっている。
 これだけ行動力があり、フルマラソンを完走できる体力もある人だから、名護市長にとどまらず次期沖縄県知事候補にしてもいいくらいじゃないでしょうか。

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