2010年06月28日(月)
第25回サロマ湖100kmウルトラマラソン・続き [ランニング]
 「京都キャロットって・・・、もしかして、あの有名なランニング用品店の・・・。」
 「はい、そうです。ありがとうございます。」
 「知る人ぞ知る・・・、て当たり前か・・・、店長さんのダンナさんですよね。」
 「そ、そうなんです。私が役立たずの夫です。」
 ああ、もうこんな会話を何回したことか。
 ナンバーカード2260さんは、地元北海道から。
 「北海道の人間には、今日の暑さはこたえます。このレストステーションが、今日の私のゴールです。」
 「そんなこと言わんと、行きましょう。まだ、時間的にはだいじょうぶなはずですよ。」
 しかし、残念ながら、ここでやめようと決めておられたようだ。北海道の京都キャロットファンということで、せっかくなんで記念にパチリ!
 55kmちょっと手前のレストステーションは、えらいことになっていた。
 「ラッシュアワー?」
 (ある人はこの様子を見て、「修学旅行状態」と表現しておられた。バスを待つ人の群れ・・・、確かに。)
 最初は、預けていたウェア(「ランナーズ9の会」のユニフォーム)に着替えようかと思っていたがやめた。この人ゴミを一刻も早く抜け出したかった。私のお気に入りの5本指ソックス・XAS103だけはきかえ、再びコースに。
 ここで、びっくりぎょうてん。
 「ほとんどランナーがおらんがなー。」
 後で気づいたのだが、50kmから60kmまでは1時間5分で行く関門設定になっていた。
 「そら、ムリじゃー。」
 50kmの関門をギリギリセーフ通過したランナーが、それからスピードアップしてキロ6分半ペースで走れるはずがない。そうか、レストステーションに滞留していた人々は、もう60km関門通過をあきらめた人の群れやったんや。
 「ああ、おそろしやおそろしや。」
 ゆっくり着替えずに、早めに通過してよかった。
 60km、7時間33分。関門まで約1分半。
 「50kmであんな余裕あったのに、ギリギリかい!」
 これ、関門設定見直してもらわなあかんなあ。
 60kmから70kmも、1時間10分の設定。さっきよりちょっとゆるいとはいえ、キロ7分ペース。
 それがまたね、ここらが最高に暑いところで、水もらおうとしたら給水所に水不足発生。ひどいところはおけが5、6個ころがっているだけで、人がもぬけの殻になっている給水所もあった。
 「それは、ないでしょ!」
 まあ、誰もここまで暑くなるとは想像できなかったってゆうことですかね。
 65kmのエイドでたくさんのランナーがイスにへたり込んでおられたのではっぱをかけた。
 「みなさーん、座ってないで走りましょうよ。1歩でも前に行きましょうよ。止められるまでは進みましょうよ。」
 返事なし。トローンとした目や苦笑いが返ってきただけだった。
 去年9月「丹後100km」で自己最低の56kmに終わった時、真樹に「パオパオもとしやなあ」と言われた。続く10月の「四万十川100km」で71.5kmの関門にわずか2分遅れでアウトになった時は、「70こえたらまあまあやな」と言われた。あと2分早かったら、もっとほめてもらえたのに・・・。
 だから、今回の目標が80kmプラス1m。娘にほめてもらいたくてしっかり走っています。
 またもや後ろから、「藤井さーん!」
 「あれ、谷さんじゃないですか。」
 「もう60kmでやめようと思って収容バスを待ってたんですけどね、リタイアが多すぎてバスが全然来ないんですよ。ボーっと待っているのももったいないんで、行けるとこまで行ってみようと走ってきました。」
 「エライ!」
 谷さんに追い抜かれた後トボトボと走っていると、前から何やら「てってって」と走ってきた。
 「犬? いや、ちがうな。なんかくわえとんで。」
やー、キツネやん。かなり大きい獲物くわえとるしー。
 あー、脇にかくれてもたー。
 でも、貴重な写真が撮れてよかった。
 66kmすぎの私設エイド。
 ご近所のご家族が用意してくださったようです。
 いっちゃんうれしかったのは、アイスキャンデー。
 すんません、2本もいただきました。めっちゃ、うまかったー。
 「ホタテのおにぎりも食べてって。」
 「ありがとうございます。ちょっと食べられへんので、写真だけ撮らせてもらいます。」
 ほんまにありがたいことです。こんな見も知らん人らのために、こんなたくさんの食べ物を用意してくださるなんて・・・。
 この私設エイドを出て少し走ったところで、大会関係車両から、「70kmの関門制限時間が過ぎました。ゼッケンを外してください」との指示。
 あー、正式にはここで終了です。66.7kmくらいかな。ちょうど100kmの3分の2です。
 体はまだまだだいじょうぶ。ただ、制限時間だけが・・・。しかたないですね。
 とりあえず、バスの来る予定のところまでは進ませてくれるようです。
67kmすぎ、来ました来ました「サロマ湖ウルトラ名物・斎藤商店」さん。
せっかくなんで、お店の前で記念撮影。
2年前の12月、ランナーズ賞を受賞された斎藤商店さん。その授賞式にうちのヨメさんと娘が招待されて行っていたという話をしたら、たいそう喜んでくださった。
 その少し先の民宿「さろまにあん」。
 「うちのヨメさんが学生時代泊まらせてもらったってゆってました」と家の前におられた方に言ったのだが、あとでヨメさんに聞くと「そことはちがう」。
 ここまで来たら、せめて70kmの関門までは行きたいなあと思っていた。ところがその1km手前の69kmのエイドにバスが1台。とうとう、そこに収容されることになった。
 最後にいっしょに走っていた男性ランナーと、お互いの写真を撮り合いっこ。ほんとにほんとに、これで私のレースは終わり。
 「体はまだまだだいじょうぶなんですけど・・・。」
 「まだゆうかー、しつこいちゅうねん!」
 「トホホー・・・」
 69km地点で止められて最初に思ったこと。
 「これでは真樹にほめてもらえんわなあ。」
 真樹が結んでくれた左手のミサンガをなでながら・・・。
 69kmで止められたランナーの数は、バス1台を少しだけ超えていた。私を含めたあふれた6人は、役員さんのワンボックスでゴール地点へ。
 途中で私の横に座っていた女性ランナーが、メールを見て絶叫。
 「わー、どうしよう。私の友達が倒れて、遠軽の病院に運ばれたって・・・。」
 「病院に運ばれたということは、もう安心ってことですよ。一日点滴をしたら退院できますよ。あわてないで」と女性の役員さん。
 でも、女性が倒れてしまうといのは珍しい。今日の気候が予想外に厳しかった証拠です。
 ゴールの「常呂町スポーツセンター」に着いたのは、まだ2時半ごろ。こんなはようゴール(?)してしまって、このあとどうしましょう。
 まずは着替えて、食券を使ってラーメンでも食べて・・・。
 いつもなら走り終わった直後は吐き気がして何も食べられないのに、今回は全然だいじょうぶ。
 自分では暑さにからっきし弱いと思い込んでいたが、このダメージの少なさは・・・。
 スタートより10時間が過ぎた。
 なんぼなんでもまだ中野さんはゴールしないと思ったが、することもないのでコースを逆走(逆歩?)することにした。
 しばらく行くと、スーツ姿のランナー。このスタイルで、10時間ちょっとでゴールですよ。速い仮装ランナーって、かっこいいですよねえ。
 コース脇にかわいいワンちゃん発見。絶対雑種やね。
 しっぽタレタレです。こわがらしてごめんね。
おっと、うちのきくのそっくりさん。
ほとんどそっくりなんやけど、耳の位置が外側すぎるような・・・。
 こわがってほえるところもうちのきくに似ています。
 ここから、原生花園の入り口へ。
 歩いていて気がついた。17年前初めてサロマに出たとき、やめたのは80kmだと思い込んでいたがちがった。そこまで行けていない。実際は79.5kmのエイドの手前だった。あとちょっと進んだらエイドがあったということも知らなかった。とりあえず、冷たい雨に打たれて体が冷え切って・・・。
 ブラブラ歩いて、ついに97km地点に。
 なんぼなんでも、もうそろそろ中野さんが来るやろうと思い、道の脇に座って待っていた。
 4時半過ぎ、ゆるやかな坂を上ってくる中野さんの姿が。
 「中野さん、何歩いてるんですか。」
 「やー、藤井さん。古傷が痛み出して・・・。ここで走るとつぶれてしまいます。
 それより、藤井さんこそ、こんなところで何してるんですか。」
 「もうとっくの昔にバスでゴールしました。谷さんも酒井さんも・・・。」
 「なんか、ぼくが三人に毒を盛ったみたいじゃないですか。」
 「ほんま、ほんま。」
 「今晩の交流会はどうされます?」
 「いや、もちろん今日は早く寝ます。」
 「分かりました。じゃー、もう一ふんばり走ってきます。」
 中野さんはゆるやかな下り坂を着実に進んでいかれた。
 (後で調べてみると、中野さんは11時間56分でゴール。)
 私はそこから3km先のゴール地点まで、トボトボと。 
 途中で「折れない心」の応援メンバーさんが、「お汁粉どうですか」と勧めてくださった。こんな応援団が途中にいてくれたら、ほんとに心強いでしょうね。
 会場5時50分発のバスで、北見ピアソンホテルへ。
 お風呂に入り、夕食をいただき、9時にはベッドへ。
 目標の80kmプラス1mには、11km届かなかった。
 体のダメージがほとんどなかっただけに、もう少し走りたかったなあ。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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