2008年04月26日(土)
第9回岐阜〜根尾淡墨桜マラソン [ランニング]
「ねおちゃん」
なんてかわいい響きなんでしょう。
私たち夫婦の二人目の子どもが生まれる時、この名前が有力候補だった。
「ねお」は、もちろんフランス語の「ネオ(新しい)」から思いついたもの。初めての子は緊張して育てるけれど、二人目はついついほったらかしになりそう。そうならないように、新しい気持ちで接していけるようにとの思いもあった。
それに「ねお」なら、男でも女でもいけそうだし。
ただ困ったことがあった。「ねお」にうまく当てはまる漢字が思いつかない。それで、結局、第二候補の「真樹」になった。真っすぐな樹も、いいやんね。
その後、岐阜県に「根尾」という所があり、宇野千代さんがそこの淡墨桜について書かれていることを知った。そうか、「根尾」ねえ。男の子ならこれでもよかったか。でもうちは女の子やったからね。ちょっと重過ぎる感じ。
この根尾淡墨桜をめざして走る大会があることを知った時は、いつか走りに行きたいと思っていた。
33kmをゆっくり走り、ゴールには淡墨桜の古木が待っている。なんか、ロマンチック。
今年はうまくスケジュールが合ったので、参加申し込みをした。
朝4時20分、起床。
4時半に家を出、栗東ICへ。会場の長良橋に着いたのは、6時50分ごろ。余裕や。
受付をし、着替え、カメラの準備をしている時、えらいことに気づいた。デジカメのSDカードを忘れてきてしまった。
ブログに載せられへんやん、とがっくりきた時、思い出しました。古いSDカードが、カメラケースに入っていたはず。ありました。
ただ、満杯に撮ってあったので、なんか消さんと撮れへん。前の写真を見てると、またいろんなことが思い出され・・・。
はっと気がつくと、8時前。スタート地点を見ると、あんなにたくさんの人がいたはずなのに、今はまばら。少し前の方に目をやると、大勢のランナーがすでにスタートしている。えらいこっちゃ。あわててスタート地点へ。
「そろそろ最終グループのスタートです。」
よかった。ぎりぎりセーフ。
スタート前の写真を役員さんに頼んで撮ってもらっている時、こちらに近づいてくる人あり。
「いっしょに写真に入らせて。」
この会の副会長・河本さんでした。女性にこんなこと言われたの、初めてかな。
8時9分、最終グループスタート。
どこからかパラパラと集まり、結局20人近くの集団に。
こんな会話をしながら走っている人が。
「ここ、高橋尚子記念ロードって言うんですよね。すごく広くて走りやすいんですけど、ここで高橋尚子が練習してたんですか?」
「いや、たぶんそれはないでしょう。ここができてから一度走りには来たみたいですけど。」
「なんとかロードって、そんなものが多いんですかねえ。」
堤に、きくちゃん・・・じゃなくて、シェパード発見。
これは、さいさきいいね。
「写真、撮らせてもらっていいですか。」と近づくと、そのでかいシェパードが後ずさり。
「こわがりなんですね。」と言うと、「そうなんでよ。」
「ワンちゃんのお名前は?」 「かれんです。」
「何歳ですか。」 「まだ、1歳なんです。」
「だから、こわがりなんかな。かれんちゃん、ごめんね。」
河川敷から大通りに上がり、信号待ちをしている時、同時スタートした若い女性から声をかけられた。
「(私のナンバーカードを見て)、京都からですか。私も京都からなんですよ。」
個人情報がどうのこうのとうるさいが、ナンバーカードに市町村名と名前が書いてあるからこそ初対面でも話ができる。これくらいはいいと思うけど。
彼女はこの後、私を含む6人グループの先頭に立ち引っ張って行ってくれた。
スタートから、この時期にしては寒かった(途中の温度計は14℃)のだが、小雨まで降りだして来た。
ちょっといやな感じがしたが、暑いよりはずっとまし。
平坦な道がずっと続き、初めてゆるやかな坂を上って下りた所に第一エイドがあった。
10.7km地点。9時29分。
自分では、キロ6分くらいのペースかなと思っていたが、実際は7分以上かかっていた。
うーん、でもこれがいいんやろね。
京都ランナーズの角南さんが言ってたLSDの真髄、「血液が体のすみずみまで行きわたる」とまでは実感でけんかったけど、とりあえず楽。
さっき声をかけてくれた彼女のおかげやね。ずっと一人で先頭走ってくれてたけど、しんどなかったかな。
とかなんとか言いながら、知らん間に抜いてしもとった。ええかげんなおっさんや。
6分休憩、9時35分出発。
第2エイドは、19.6km地点。10時30分。
ここで給水を担当してくださった年配の女性のお話。
「後6kmがんばれば、草もちが待ってるからね。そこまでがんばって。ゴールしたら、今度はバーベキューが待ってるから。」
何? バーベキューって? 33km走った後で肉は食えんぞ。ソーメン食べたい。(これは、ゴール後、バイキングのまちがいであることが判明しました。よかった。)
4分休憩、10時34分出発。
ここからは、頭の中は「草もち、草もち」。
ゆるやかなアップダウンが何か所があったが、草もちが待っていると思うと楽しくて楽しくて。
第3エイドは、25.8km地点。11時15分。
なんとおいしそうな、草もち!
「今日の朝、つきたてのおもちです。」
あっという間に食べてしまった。もう一個ほしかったけど、一人一個って言ってはったしな。しゃーないな。
ここを、11時20分出発。
この後、急に草もちパワーが炸裂したのか、スピードアップしてしまった。残り7kmで、30人くらい抜いたと思う。でも、これがあかんのやね。これではLSDにならん。とわかっちゃいるけど、とまりません。
おそろしや、草もちパワー。
私のパワーの源・雑種犬には会えんかったけど、もちっちゅうのも効くなあ。
最後の最後の急な坂もスイスイスイ。
すごく楽な気持ちでゴール。
12時4分。
3時間55分かかったのか。
ゴール地点の有名な淡墨桜の古木は、元気に枝を広げていた。ただし、花のほうはだいぶ前に散ってしまったそうだ。今年は例年より早かったらしい。これはちょっと、残念。
ゴールで缶ビールをもらったが、できたらおつまみも・・・、なんてぜいたくですよね。。
ゴール地点から昼食会場「ホテル四季彩館」まで、バスで送迎。
温泉は混んでますと言われたが、ほとんどの人が先に温泉に入った。確かに混んではいたが、男の人は洗うのが早い。洗い場の横で5人待ちだったが、あっという間に順番が回ってきた。たぶん、女の人だとこうはいかないだろう。なーんでかな?
最後にたくさん抜いたのが効いたのか、私が温泉を出るころ、次々とランナーが入ってこられた。
「うすずみ温泉」の廊下に淡墨桜の紙芝居がはってあった。驚いたことに、版画である。なかなか味わい深い。売ってあったら買おうと思ったが、よく考えたら、小学生の作品を売り物にはせんわな。興味のある方は、一見の価値あり。
温泉から向かいの昼食会場に入ると、もうゴール写真が出来上がっていた。プロが撮った写真は、さすがにきれい。全員分が、無料で用意されていた。これは、うれしい。
昼食会場で2はい目のごはんを食べている時、前半を引っ張ってくれた京美人さんがお向かいにすわられた。
「(デジカメの写真を見せて)、あのー、第1エイドで撮った写真に写ってるんですけど、ブログに載せてもいいですか。」
「はい。ありがとうございます。」
「お名前を、(載せてもいいですかと言おうとしたら)」
「伊藤千尋です。」
「ブログに載せてもいいですか。」
「はい。」
さっぱりして、気持ちいい。体育会系?
「今日、後ろを走らせてもらって思ったんですけど、何かほかのスポーツをやってはったんですか。(私は、バレーボールのイメージだった。)」
「ええ、ずっとテニスばっかりしてたんです。でも去年は一回もテニスはせず、走ってばかりでした。」
「キャロットさん、ランニング用品店なのに今日はお仕事大丈夫なんですか。」
「さぼって、走りに来てるんです。まあ、いてもあんまり役に立たんてヨメさんに言われてるんですけど。」
「そうなんですか。来週もどこか走りに行かれるんですか。」
「はい。来週は、出張販売で金沢の『マラソンに挑戦する会』に行って、ついでにフル走って来ます。」
「あっ、それ、私も出ようかなと思ってたんです。でも、武庫川のユリカモメと重なって、結局そっちにしました。じゃー、毎週走ってられるんですね。」
「はい。レースばっかりね。間の平日は一切走っていません。」
「えっ?」
「私の目標は、『練習せずにウルトラ完走』なんです。」
あーあ、せっかく盛り上がりかけていた話が、これでしぼんでしまった。やっぱり、あきれてはったなあ。
食後、バスでスタート地点まで。バスの中で人員点呼をされていたのが会長さんだった。最後の最後まで、ありがとうございます。
この大会は、私が知っている100以上の大会の中でまちがいなく?1です。
自分の思い通りのペースで走り続けることができる。
コースも変化があり、あきずに楽しく走れる。
33kmというビミョーな距離も気にいりました。
ゴール後に、弁当ではなくバイキングの食事付き、温泉付き、ゴールの写真付き、チャーターバスでの送迎付き。これで、参加費5000円は安い。
役員さんはやや高齢の方が多いように感じましたが、細かい所までしっかり心くばりがされていました。
スケジュールが合えば、ぜひ来年も出たい。
ただ心配なことが一つ。今年の約200人が受け入れの限界ではないだろうか。口コミでこの大会のよさが広まると、運営に支障がでてくるのでは?
ひとにこの大会のよさを話したい。でもそれは迷惑なことかも。
うーん、ジレンマ。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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