パオパオだより

2009年01月14日(水)

「大丈夫であるように ―Cocco 終らない旅―」 [映画]

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 沖縄出身の歌手・Coccoさんの映画を見た。

 映画の中で、三つの言葉が心に残った。

 「生きろー」
 「よんなあよんなぁ」
 「最後に花が咲いて、よかった」

・「生きろー」 
 言いたいことは、一つだけ。生きろー・・・、ふっ・・・、生きろー・・・、ふふっ・・・、生きろー・・・。

・「よんなぁよんなぁ」
 友だちが突然死んでしまった時に思った、もっとゆっくりゆっくり生きてほしかったって。沖縄では『よんなぁよんなぁ』って言うんです、ゆっくりゆっくりのことを。


・「最後に花が咲いて、よかった」
 アニメの『もののけ姫』は、人間のせいで世界がずたずたになる。そのずたずたのまま終わって欲しかったのに、映画の一番最後に花が咲いた。がっかりしました。どうして? これでは、また何も考えない人が増えるだけだと思った。
 でも、子どもができてこの映画をいっしょに見たとき、『どうか、最後に花よ咲いてくれ』と思った。子どもには、希望にあふれたきれいな世界を見せてやりたいと・・・。

 この映画は、「Cocco きらきら LiveTour 2007/2008」を追ったドキュメンタリーだ。
 
 旅の始まりは1通の手紙だった―独自の完成と唯一無二の存在感で、熱狂的なファンをもつミュージシャンCocco。沖縄の米軍基地移設予定の海に現れた2頭のジュゴンの姿に喚起された彼女は、歌を通じ、何かを変えていこうとしていた。そんな折に届いたファンからの手紙。それは核再生処理施設のある青森県・六ヶ所村に暮らす少女からのものだった。そしてCoccoは北へ向かい、知る。自分と同じ痛みを抱える人が日本中にはまだたくさんいることを。自分たちも知らずに何かをしてしまっていることを。原爆ドーム、ひめゆりのおばあ達、息子のこと、死ぬこと、生きること・・・美しいものも醜いものもすべて胸に刻み、唄いながら、祈りながら旅は続いていく。日本中の傷跡に、いつか花が咲くように。みんなの明日と将来と夢が、大丈夫であるように。(映画のパンフレットより)

 「何かをしなくては、でも何をすればいいのだろう。けっきょく、私には唄うことしかない。」
 Coccoさんの自分への問いは、見ていてつらかった。そこまで自分を追い込まなくてもいいのに。

 「まず、事実を知ること」 
 その通りだと思います。今まで知らなかった自分を恥じることはない。今から自分のできることを考えればいい。
 自分が思ったこと感じたことを、そのまま唄ってもらえたら、聞いた人がまたそれぞれ何かを考えるでしょう。そんなに、自分を追いつめなくても・・・。

 映画の最後に、Coccoさんの近況がテロップで流れた。
 「2008年4月 拒食症で入院」
 あかんてー。追いつめすぎやって。

 今は、コンサートもお休みされているようだ。
 よんなぁよんなぁして、またいつか元気な姿をみせてください。
 「あっちゃんはヨー、○○でヨー」と、またみんなに語りかけてください。ゆっくりゆっくり、待っています。(「あっちゃん」というのは、Coccoさんの自分の呼び名です。)

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「沖縄ジュゴンを守ろう」の展示

 映画に行こうと思ったのは、今日の朝。
 京都シネマの会員更新しめきり日(1月末)が近づいていた。
 それに、去年、チャレンジ(職業体験)で真樹の中学校の子が「京都シネマ」に来ていた。
 新聞の映画欄を見ると、「大丈夫・・・」。あっ、あのCoccoさんの映画・・・。12時15分から。
 ヨメさんのヨガ教室が11時半からやからちょうどいい。「北山駅」まで送ってもらおう。

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 いい時間に着き、会員更新の手続きも終えた。
 受付の横には、男子中学生が二人。まちがいなく、○中生だ。
 この映画の写真集を買おうとしてその中学生にお願いしたら、(二人がかりで)テキパキと対応してくれた。
 胸の名札をしっかり見る。「O君」と「T君」。帰ったら、真樹に話してみよう。
 (去年は女子やったのに、今年は男子や。)

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 「君ら、○中の2年やんね。」
 「はい。」
 「うちの娘も○中の2年なんや。6組なんやけど・・・。」
 「はい。」

 話に乗ってこないところを見ると、6組ではないようだ。彼らが6組だったら、私の名を名乗ろうと思っていたのに…。

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 上映15分前に開場。
 そこで、このチャレンジ君の登場。集合をかけ、入場引換券に印字されている番号順に招き入れていた。
 そしてそのあと、前説というか諸注意といか、それをきちんとやっていた。
 もちろん紙を見ながらの説明ではあるが、チャレンジも4日目となると落ち着いたものである。拍手したくなるほどうまかった。

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 真樹から聞いた話だが、去年チャレンジで「京都シネマ」に来た子は、映画鑑賞の時間があったらしい。
 去年の子は何を見たのかな。「ひめゆり」やったらいいのにな。
 今年は?
 今上映中の映画の中では、この「大丈夫であるように」がピカイチです。中学生にも、この映画を見てもらいたいなあー。

 

 大丈夫じゃないのに
 大丈夫って言わなきゃいけないのが
 いやだ。

 大丈夫じゃないのに
 大丈夫でなきゃいけないのが
 いやだ。

 大丈夫じゃないって言っているのに
 大丈夫?って聞かれるのが
 いやだ。

 なのに
 大丈夫じゃない人を目の前にすると

 大丈夫?って
 そんな言葉しか探せない自分が
 いやだ。

 ごめんね。

 大丈夫であってほしい、って
 想ってるんだ。
 きっと。

 大丈夫になってほしい、って
 願ってるんだ。
 きっと。

 大丈夫であるように、って
 祈ってるんだ。
 いつも。

 いつもいつも
 いつもいつも

(「大丈夫であるように」写真集、Coccoの言葉より)

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