パオパオだより

2016年06月29日(水)

「写真見せて」と父は言う [家族]

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 先週、父が京都博愛会病院に転院。
 今日、ヨメさんと二人でお見舞いに行ってきた。

 「おじいさんが食べてるとこ、写真に撮っとくわ。」

 そのあと、父が何やらむにゃむにゃ言っている。
 ヨメさんが、「写真見せてやって」と通訳してくれた。
 そうかー、まだ自分の写り映えとか気にしてるんや。それでちょっと安心した。

 病院に着いたとき、父の顔色が悪くてびっくり。しかし、しゃべってしゃべってしゃべってするうちに見る見る顔色がよくなっていった。話し相手として、ちょっとでも顔を出すようにせんとあかんなあと思った。

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 父は「ますみさん」のことを分かっているのだろうか。
 そういう話になると、笑って上手にごまかす。うけ狙ってのかなんだか・・・。

 「おじいさん、頭の方、ちょっと下げるで」と言ってベッドのリモコンを操作。父はその言葉をしっかり聞いてなかったようで、「おー、さかとんぶりくうわー!」
 「さかとんぶりくう」とは「ひっくりかえる」くらいの意味ですかね。父は目をむいていたけど、こういう刺激も案外いいのかも。

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 こないだの「北栄町すいかながいもマラソン」のときに、真樹と買ってきたおみやげ「梨ゴーフレット」。意外と食べやすく、おいしかった。父にも喜んでもらえてよかった。このおみやげはおすすめです。

 病院からの帰りの私とヨメさんの会話。
 「おじいさんはまだ自分のこと分かっているしええけど、ボクは自分で自分のことが分からんようになったら、もう生きていたないわ。」
 「それはちがうで。人間はそんな簡単なもんとちがうと思うわ。そんな人も生きていく値うちはあるし。」
 「いや、自分以外の人をどうこうゆうてるのとちごうて、ボクだけの問題としてゆうてるねん。自分が自分と分からんていうことは、その時点でもうちがう人になってるってことやろ。さとぼん(ヨメさんの親友)のお父さんがすごいいい人やったのに、亡くなる前は怒ってばっかりの別人みたいになってしもたってゆうてたやん。その話はショックやったわ。ボクはそんななったら、もう生きていたくないなあ。自分が自分と分からんようになる瞬間が分かったらええのになあ・・・。」
 「それは無理。」

 私は60歳、ヨメさんは54歳。この歳の差が、「老い」に対する不安の差としても出てきているのかなあ。

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