2010年11月19日(金)
裁判傍聴初体験・総括 [時事]
しつこいようだが、11月11日の裁判傍聴のまとめを。
とにかく初体験だったので、分からないことばかり。
京都地方裁判所に着いて、まず受付へ。そこには私と同じ歳くらいの堅物ぽい男性が座っておられた。
「裁判の傍聴に来たんですが・・・。」
「何か、お目当ての裁判があるのですか。」
「はい。門川市長の証人尋問がありますよね。」
「それなら、101法廷です。並んでください。」
「えっ、勝手に行っていいんですか。」
「いや、入り口前に順番に並んでもらっています。」
101法廷の傍聴席入り口に向かうと、すでに30人ほどの人が並んでおられた。私が並んだあとも、後ろに次々と並ばれる人があった。その様子を見ていると、私のように一人で来た者はまれで、ほとんどが何人か連れでこられているようだった。そして、そのクループ同士も顔見知りである方が多いような感じだった。
定刻になり、ドアが開かれ傍聴席に入った。私は、てっきり手荷物検査のようなことがあると思っていたがまったくなし。カメラの持ち込みは禁止らしいが、あれではしようと思えば簡単に隠し撮りができる。声の録音だけなら、まったく気づかれずにできたであろう。
傍聴席入り口は、正面から向かって左側。だいたい先頭から奥に詰めていかれたので、正面から右側の被告席側からうまっていく感じだった。
私は前から3列目の中央に座ることができた。
その時、たまたま私の隣りの席だったのが一人で来られていた女性。年のころは、私の一回り上くらい。
証人尋問が始まるまでまだ少し時間があった。すると、お隣りの女性はカバンから雑誌を取り出して読み始められた。私もヒマだったのでチラチラと見てみると、なんとその雑誌は「ねっとわーく京都」の最新号(11月9日発売の12月号)。その時よっぽど、「私、そこに連載してますねん」と言いたかったが、いきなりは・・・ね。
そこに、被告人側の出入り口から門川市長が入ってきた。もう一人入ってこられたので、そこでお隣りの女性に聞いてみた。「市長といっしょに入ってきやはった人はどなたですか?」
「ああ、あの方ね。弁護士さんですよ。京都市が訴えられた時は、たいていあの弁護士さんが出てこられますね。」
「ほー、そうなんですか。」
「(原告側を見て)あの方、ご存知ですか。」
「いえ、知らないです。」
「○○○さんといって、京都で住民運動といえば必ずあの方が関わっておられるといってもいいような方なんですよ。」
「へー、そうなんですか。」
そのほかにも、その女性からいろいろなことを教えていただいた。だいぶお話させていただいたのでもうそろそろいいかなと思い、「私、その雑誌に連載してますねん」と告げた。すると、すぐにその箇所を読んでくださった。今回は主に「四万十ウルトラ」のことを書いたので、年配の女性にはちょっと理解してもらえないのではと心配だった。しかし、読み終えられて最初に言われたのは、「『憲法グッズ』で検索したら、こうやってすぐ出てきますか」という言葉。「四万十ウルトラ」で何かアピールしながら走りたいと思い、ミニのぼりや憲法9条シールを通販で購入し身に付けて走った箇所に食いついてくださったのだ。
一人心細く参加した裁判傍聴で、「ねっとわーく京都」の愛読者にお会いできるとは夢にも思わなかった。
1時半ちょうど、予定通りに証人尋問が始まった。
ここらあたりのことはもうすでに書いたので、省略。
とにかくびっくりしたのは、何もかも急に始まって急に終わるという感じ。そんなやり方になれていない私は、「えっ、今の続きはないん?」と何度もずっこけた。もっともっと相手を追い詰めていくものだと思っていた。そういう意味では、ちょっともの足らんかったかな。
門川氏が教育長から京都市長選に立候補する前に、自分の宣伝本ともいえる本「教育再生への挑戦」を市教委が1400冊購入、配布した件については、門川氏の証言では「一切関知していない」。そのほかの尋問についても、ほとんどは「記憶にございません」、「知りません」と小さな声で答えるだけ。ああ、これが140万都市京都市の長のとる態度だろうか。
これでは、今話題の法務大臣の「この2つの言葉をおぼえておけば何とか乗り切れます」と同じ。これも、あの人の大好きな「大作戦」の一つだったんでしょうか。もし私が何かの裁判の証人に呼ばれたら、「記憶にございません」「知りません」を連発しようっと。
二番目に証人として出てこられたのが、当時その本の発行元の社長であった江口氏。現在はみんなの党所属の参議院議員さんだそうだ。
この人がしゃべるしゃべる。何度も裁判長から、「証人は聞かれたことだけ答えてください」と注意されていた。
この方の主張は、「その本を選挙のために発行した覚えはない。たまたま時期が重なっただけのこと。社長は、発行時期などのこまかいところまで指示したりしない」というもの。
そういったことを、おもしろおかしく話そうとされていたふしが見られた。また、想定問答のシュミレーションをかなりこなしてきておられるふしも見られた。裁判長から何度も「座ってください」と言われていたが、「座るともっと話が長くなるので」と言ってずっと立ったままで証言されていた。さすが参議院議員に当選されただけのことはあるなあ、話がうまいと思った瞬間・・・。
「君は、なんだ。君も弁護士か。」
「はい、そうです。」
「さっきからあなた、あなたって、誰に向かって言ってるんだ!それは私に向かってか!」
「はい、そうです。」
「君にあなたと呼ばれる覚えはない!」と激高。
「そこは、あなたでいいんですよ」と裁判長から諭される始末。
それまで愛嬌のある紳士であるという印象だったのが一変。へー、相手を見て自分から見下すような存在だと思ったら一挙にこんな態度になるのか。そんな人が国会議員?みんなの党って今までどんな党かよう分からんかったけど、わけもなく人を見下すような党なんか。この人のこんな態度を見ていると、そう思われても仕方ないですね。
以上、証人尋問自体は不愉快な答えが多かった。しかし、それだけで終わったわけではない。
休けい時間に、お隣りの女性ともう少しお話することができた。私がどうしてもお聞きしたかったこと。「この裁判の傍聴にお一人で来られた理由は?」
「私はただの一主婦なんです。ここに来たのは野次馬根性だけで・・・」
まあ、なんてすばらしい。そんなふうに言い切れる人は、この傍聴席75人の中でもまれだろう。もう少しお話させてもらうと、それだけが理由でないことも分かった。ご自身が取り組まざるを得なくなった住民運動から、京都市政に対しても関心が高まってこられたようだ。裁判中も、こまかくメモをとられていた。京都市政の監視という立場で作られている「ねっとわーく京都」を熱心に読まれていたのも、そのあたりが関係していると思う。
帰る前に私の名刺をお渡しすると、その場で手書きの名刺を作ってくださり私に渡してくださった。「名刺も持ってなくて、失礼なんですけど・・・」と。(その方は、右京区のYさんという方だった。)
ああ、かっこよすぎる。
私もいずれはこんな人になりたいと思った。いいお手本にできる方と知り合えた。これが、私の裁判傍聴初体験の一番の収穫だったかもしれない。
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2010年11月12日(金)
門川市長証人尋問・続き [時事]
◎京都新聞11月12日朝刊
「京都市長『不適切でない』 選挙前本配布で証言」
京都市教育委員会が2008年2月の市長選前、門川大作市長の教育長時代のインタビュー記事などが載った市販本を購入して学校関係者らに配ったことをめぐる公費返還住民訴訟で、門川市長の証人尋問が11日、京都地裁(瀧華聡之裁判長)であった。市長は選挙前の購入や配布の経緯について「一切知らない」とした上で「市教委が政策を多くの人に理解してもらうためにしたもので不適切とは思わない」と述べた。
門川市長は終始、緊張した表情で証言した。原告代理人から「書籍は選挙のアピールか」と問われ「そのような認識はない」と答えた。1400冊の購入報告については「記憶にない」と述べた。インタビュー取材がなかったことを認めた上でインタビュー形式に構成した原稿を点検したことを明らかにした。
発行元のPHP研究所元社長の江口克彦参院議員(みんなの党)に対する証人尋問もあり、発刊を持ち掛けた理由について「市長選なんて頭にない。京都の教育改革を全国に知らしめたかった」と証言した。
発刊が遅れたのは著者予定だった門川市長が多忙で原稿が出てこなかったためと説明した。PHP社が市教委から資料提供を受けて制作する方針に変更したという。「PHP研究所編」としたことは「門川さんが書いていないから」と述べた。
この日の証人尋問でも執筆者は明らかにならなかった。原告弁護団の一人として市長選の候補で951票差で敗れた中村和雄弁護士が参加し、門川市長に「お久しぶりです」とあいさつして質問を始める場面があった。
◎毎日新聞11月12日朝刊
「売れ筋上位へ書店で定価購入 京都市教委・割引利用せず 現市長の業績紹介本」
京都市教委が08年2月の市長選直前、立候補表明していた当時教育長の門川大作市長の業績を紹介した本を大量に配布したことを巡る住民訴訟で、市教委が通常は出版社から2割引きで買える本を書店から定価で買っていたことが分かった。この訴訟の証人尋問が11日、京都地裁であり、元出版社社長の江口克彦・みんなの党参院議員が明らかにした。
訴状などによると、市教委は定価1365円の本を10店から1400冊購入した。江口議員は「京都府内の行政は関連書籍を自社から2割引きで買っていたが、市教委には売り上げランキングに載れば宣伝になるからと書店での購入を勧めた。よくあることだ」という趣旨の証言をした。市教委は定価購入で38万円余り多く支出していた。
住民らは訴訟で「税金を使った選挙応援だ」として門川市長ら市幹部4人に約210万円の損害賠償を請求するよう市に求めている。【古屋敷尚子】
◎毎日新聞11月12日朝刊・京都欄
「08年の京都市長選再び!? 現職と次点法廷で“対決”」
住民訴訟 攻める中村氏、かわす市長
08年2月の京都市長選直前、門川大作市長の教育長時代の業績を紹介した書籍を市教委が購入・配布した問題を巡る住民訴訟で、門川市長本人が11日、証人として京都地裁の法廷に立った。住民側代理人の一人はその市長選で門川市長に951票差まで迫った中村和雄弁護士。約15分間だったが、直接“旧敵"が相まみえた。
大きな争点は、書籍が選挙での宣伝目的か否かや、実際にはインタビューを受けていないとされる門川市長の記事を誰が執筆したのか。尋問の冒頭、中村弁護士は「お久しぶりです」とあいさつしたが、門川市長は無表情で応じた。
その後、「自身が編集したのでは」「載っている写真はいつ撮影したのか」といった追及に対し、門川市長はそれぞれ「そんなことない」「知らない」と答えた。他の弁護士の尋問には「本は市の教育を広報するためで、担当課に任せていたので詳細は知らない」と述べた。
門川市長は尋問後、「(中村弁護士は)元気そうでしたね。記憶をたどりながら誠実に真実をお話しした」と語った。【古屋敷尚子】
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今日(11/12)、昨日の証人尋問に関するブログの検索をしていると、「傍聴希望者が多くて法廷には入れなかった」という記事を見つけた。やっぱりそんな人もいたのだ。早めに裁判所に行き並んでよかった。
101法廷に入れた傍聴人は75人。それぞれどのような理由で来られたかは分からないが、この75人には75通りの理由があるはずである。
さてこの私は・・・。
先の市長選前の「談話本配布」については、実はあまり興味はなかった。立候補した候補者が、それまでの自分の立場を選挙に利用するのはよくあること。選挙違反スレスレの綱渡りのようなこともよく聞く。秘書や部下が勝手にやったことにして、自分だけはのうのうと生き延びるということも過去にはめずらしくなかった。最近は「連座制」とか言って厳しくなったそうだが、抜け道はたくさんありそうな気がする。
私が一番見たかったのは、門川大作氏の表情である。
140万人の京都市の長にまで上りつめた人が、損害賠償請求裁判の被告側証人として尋問されるとき、どう対処されるのか。それが見たかった。
私が門川氏に直接お会いしたのは、私が京都市のへき地の小学校教師をしていた30年前。その時、組合対策の先頭に立っていたのが門川氏であった。その堂々たる姿は、「ああいえばこういう」タイプの人間というのがぴったりの人だった。
ところがこの日の門川氏はまるで元気がなく、私が長年持ち続けていたイメージとはかけ離れていた。「記憶にございません」「知りません」の連発は、いつか見た国会証人喚問とそっくりだった。
新聞報道には詳くわしく書いてないので、証人の証言をまとめてみると・・・。
「京都の教育改革」をまとめた本を出版する話をPHP研究所から持ちかけられた。しかし、超多忙なためまったく手付かずだった。そこに、今までの自分の業績をまとめたものをインタビュー形式で掲載すると言われた。そのゲラには目を通した。ただ、そのあとその本が誰の手によってどのようにまとめられたかは知らない。市教委の1400冊定価購入、無償配布についても、当時は報告があったはずだが現時点では記憶がない。
その本については、平成19年の12月ころ、誰からか分からないが自宅に送られてきた。その時はほとんど目を通していない。市長選が終わり落ち着いた4月ころ、やっと目を通したという程度。初めから終わりまでくわしく読んだということはない。今回の証人尋問前も、超多忙なため、その本には目を通してきていない。
ここで法廷内の傍聴人から失笑のうず。お上品で控えめなヤジもとんだ。それに対して、裁判長から傍聴席に向かって注意があるかと思ったがまったくなかった。普通、裁判の被告側の証人として呼ばれていたら、その問題になっている本を見直してくるでしょう。弁護士さんとの打ち合わせもあるだろうし。これも「何もかも自分の知らないところでことは進んで行った」という証人の作戦だったんでしょうか。
傍聴席のどよめきに対して裁判長が注意しなかったことで、この裁判長には一般人の感覚があると思え、ちょっとほっとした。その時の裁判長さんの顔は、「ほんまに読んできてへんのかいなー」という表情にも見えた。
それともう一つ。
原告代理人(中村和雄弁護士)から、その本の証人のインタビュー形式の記事についての質問があった。
「その記事の最後に、平成19年10月29日の記載があり、教育長室で撮られた証人の写真も掲載されている。これを見た人は、この日に教育長室で実際にインタビューされたものと思い込まれないでしょうか。」
「知りません。」
「えっ?」
「知りません。」
これは答えとしてはおかしいと思う。答えは、「そう思います」か「そうは思いません」のどちらか。「知りません」って・・・。こんなにご自身が関与されていると思われても仕方ない記事も、ひと言「知りません」で済ませていいんかなあ。ここは他のときとちがって、間髪いれずの返答だったのでよけいにびっくりした。当時の教育長、現京都市長として、そんな無責任な発言はないでしょう。
「記憶にございません」「知りません」を押し通せば、何の証拠も出て来ないし、裁判自体の意味もなくなってしまうような気がした。。
ちょっと話がそれるかもしれないが・・・。
1986年1月、京都市中の小中学校の卒業式案に突然日の丸・君が代が入ってきた。確か当時京都市の小中学校は250校ほどだったと思うが、すべての校長さんが遠隔操作をされているロボットのように同じ言葉をしゃべり出したのだ。「私はずっと前から卒業式での日の丸・君が代は必要だと思っていました。市教委からの指導もありましたが、私自身の判断で卒業式に国旗・国歌(日の丸・君が代)を入れます」などなど。
これが私の人生における最大の謎。そして、私の人生における最大の恐怖。
校長さんにも一人一人個性があるはずなのに、ある日突然一斉にロボット化してしまっていた。こんな不思議でなおかつこわいことはない。結局、私はこの恐怖から逃れたくて(と言うより、自分の信念よりも自分の生活を守るほうを優先する「教師の成れの果て」のような姿を見てしまって)その数年後に教職を離れてしまった。そしてこのときの謎と恐怖は、25年近くたった今も残ったままである。
当時この問題で大活躍されていたのが高石文部次官。彼は学習指導要領に国旗国歌の指導項目を入れた実績を手土産に、自民党の衆議院選候補となるはずであった。しかし、リクルートから賄賂をもらったことが発覚、逮捕起訴され失脚。
その時私は、政治家をめざす者は何か目に見える実績を手土産に自分を売り込むものなのかと思った。
京都の教育「改革」を語るとき、ここ10年ほどの変化だけを見ていても分からない。私は、1986年に京都市中の小中学校の校長さんを震え上がらせ、卒業式での日の丸・君が代を強行させた人物が大きなキーワードになっていると思う。
それがいったい誰であるかは分からない。当時の校長さんたちがその間の事情を正直に話してくださるとも思えない。でも、私は・・・。(これ以上書くと、名誉毀損で訴えられる可能性があります。)
以上。
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2010年11月11日(木)
門川市長証人尋問 [時事]
「えっ!」
しなびたゆでだこ?
すいません。証人が法廷に入ってきたときの印象はこれです。そして、すぐに気の毒になってしまった。赤らんだ顔。うつろな目。寝ぐせのなおっていない髪の毛。イスをややななめにして座ったり・・・。指を組み合わせたりはずしたり・・・。
30年前に、20代の若さで堂々と組合対策の先頭に立っていたあのギラギラしていた人は・・・。いやいや、これがあなたの「大作戦」だったのかも・・・。
今日は「京都キャロット」の休みの日ではないので、午後に4時間ほど抜けるのはさすがの私も気が引けた。でも、「なんぼでも行ってきたらええ。一生帰ってこんでもええで」というヨメさんのあたたかい(?)言葉に送り出されてきた。
御所横の駐車場に車を留め、京都地方裁判所へ。
裁判所に着くと、前で取材中(上の写真)。なんと、2年前の京都市長選で951票差で敗れた中村和雄弁護士。このときは、傍聴されるのかなと思っていた。
生まれて初めての裁判所。
受付で傍聴に来たむね伝えると、「101法廷の入り口前に並んでください」とのこと。私は入廷予定時刻の20分以上前に並んだのだが、その時点で前に30人ほどの人が並んでいた。傍聴席は75。ゆっくり来ていたら傍聴できなかったかもしれない。
1時10分に入廷。75の席は満席。私は、前から3列目の中央あたりに座ることができた。
その5分後に証人が入廷。
「えっ!」 ・・・となるわけです。
法廷の写真撮影は禁止。
私のブログは写真でもっているようなものなので、これはきつい。状況を言葉で説明するのはむずかしい。
法廷は、テレビで見たのとまったくいっしょ。傍聴席が証人席からもう少し離れていると思っていたが、意外に近かかった。
正面には裁判官が3名。
中央が裁判長でしょう。俳優・斉藤洋介さんを男前にしたような感じ。その右は美人裁判官。左端の男性裁判官は居眠りをしているように見えた。
その前に書記官が2名。男性と女性。ボイスレコーダーも使っているようだ。
傍聴席から向かって右に被告側。そこには証人と弁護士の2名のみ。向かって右が原告側。こちらは10人以上。人数だけでも原告側が圧倒している。(私のような裁判のしろうとから見ると、その様子はすごく不公平に見えた。裁判員裁判でもこんな感じなのだろうか。)
おっと、その中に先ほど裁判所前で取材を受けていた中村弁護士が。「原告代理人」だったんですね。
「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」
証人尋問が始まった。
この証人宣誓、「自分にはでけへんなあ」と思った。「良心」自体がないに等しい人間はどうしたらいいんでしょう。
「事実と異なることを証言すると偽証罪に問われます」と、裁判長からの注意。これはきつい。
最初に、被告側弁護士からの証人尋問。
これが不思議なことなのだが、私には味方からの援護射撃には聞こえなかった。お二人で十分打ち合わせの上で出てこられたであろうに、ちぐはぐなところもけっこうあった。
私のお隣りに座られていた女性にお聞きすると、その弁護士さんは京都市が被告になった場合に必ず出てこられる方だそうだ。今回も被告が市教委なので弁護を引き受けられたのだろう。でも、その弁護士費用って京都市民の税金から支払われているんですよね。「複雑な気分!」
次に、原告側代理人からの証人尋問。
さすがによく調べられていい質問が多かった。証人の声は小さく、なかなか答えらず考え込む時もあった。まるで先生に叱られている小学生のように。
「選挙前談話本」1400冊無償ばらまきが、選挙目当てであることは明白である。「そんなつもりはなかった」と言い張られても、世間では通用しないだろう。
しかし、その本のばらまきを計画し実行したのはだれなのか。証人はそれにどのように関わっていたのかなどは明らかにはならなかった。「記憶にございません」「知りません」の連発ではどうしようもない。まあ、予想できたことだけれど・・。。
別の方の証人尋問の必要性を強く感じた。
(注)まだ、続きます。
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2010年11月10日(水)
「門川市長 何を語る」 [時事]
◎京都新聞11月10日朝刊
「選挙前談話本配布、門川市長 証人尋問」 11日京都地裁
京都市教育委員会が2008年2月の市長選前、門川大作市長の教育長時代のインタビュー記事などが載った市販本を公費で購入して関係者に配った問題の住民訴訟で、京都地裁は11日午後、門川市長と発行元のPHP研究所元社長の江口克彦参院議員(みんなの党)を証人尋問する予定だ。これまで12回の口頭弁論で、門川氏のインタビューは実際に行われていなかったことが判明した。執筆者は不明なままで、証言が注目される。
■インタビューなし、誰が執筆?
出版や購入が選挙目的か否かが争われている。本は07年12月27日に発行された。出版は当時社長だった江口氏が門川氏に持ちかけたことも訴訟で明らかになった。
原告側は本を「門川氏の実績宣伝」と訴える。理由は▽発行が立候補表明の11日後▽関係者の証言で07年初めに出版の頓挫話があったのに、立候補に合わせて再び出版が動きだした−などを挙げる。江口氏が「門川大作を京都市長にする九人の会」の会長代行だったのも根拠の一つにする。
訴訟記録によると、出版が計画されたのは04年秋。市側は「配布は市教委の広報活動で、選挙とは無関係。立候補前から購入するとの認識があった」と争う。
執筆者などスタッフを明らかにするよう求めた地裁の調査に対し、PHP社は50代のフリーライター=神奈川県在住=が原稿作成者とした。このライターは証人尋問で取材や執筆を否定し、「文章点検はした」と証言した。門川氏のインタビュー記事について市教委は「インタビューは行われなかった。PHP社がそれまでの取材内容をまとめた」と主張する。
証拠資料では、当初の著者は門川氏と市教委幹部職員の2人だった。だが07年11月、市教委側の提案で「PHP研究所編」に変更された。この点を原告側は「公選法などの観点から変更せざるを得なくなった」と指摘する。一方、市側は「2人が著者と予定され、変更されたことは知らない」としている。
【門川氏談話本購入費をめぐる返還訴訟】 市民団体メンバーが門川氏を含む当時の市教委幹部4人に購入費など約200万円の返還を求めている。市教委は門川氏の立候補表明前後、インタビューを収録した「教育再生への挑戦」計1400冊を書店に発注し、PTA関係者や小中学校などに配った。
「選挙前談話本配布・住民訴訟証人尋問」
明日11月11日(木)午後1時半〜4時半、京都地裁101法廷(大法廷)
この間のくわしい解説を、大阪府茨木市会議員・山下けいきさんが、ご自身のブログ「平和とくらし」の11月3日の記事として書いておられます。
ぜひご覧ください。
もう30年も前のことで記憶があいまいですが・・・。
30年前、私は大原小学校百井(ももい)分校の新採教師。もちろん、すぐに市教組(京都市教職員組合)に加入。
当時は、市教組の中にへき地部という組織があり、へき地の小中教職員は特別枠で直接市教委に要望を訴えることができた。
ところが、その席には総務課長さんなどのえらいさんも出席されているのに、すべての回答を若い一係員がしていた。言葉遣いはていねいなようで、どこか人を(へき地を)小ばかにしたような・・・(これは、あくまで私個人の感想です。)こちらが何を言ってもスラスラと答える様を見て、私はゲーが出そうになった。
その市教委総務課の一係員は、私より5歳年上なだけ。当時私は24歳だったので、彼は29歳ですか。へー。
それから私は11年後に教師を辞めたので、よもやその一係員と顔を負わすことはもうあるまいと思っていたのだが・・・。
あかん。また、ゲーが出そうになってきた。もうやめます。
明日の午後、時間が取れそうな方はぜひ京都地裁へ。
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◎京都地裁ホームページより
【裁判所名】 京都地方裁判所 第3民事部
【日時・場所】 2010年11月11日 午後1時10分 当庁第101号法廷前付近
【事件名】 損害賠償請求行為請求事件 平成20年(行ウ)第45号
【備考】 当日,午後1時10分までに集合場所に来られた方を対象に先着順で配布します。開廷時間は午後1時30分,法廷は第101号法廷(1階)です。
【傍聴の手引き】
傍聴したいときには
法廷が開かれていれば,事前に申し込まなくても傍聴することができます。「傍聴人入口」の扉から中に入り,傍聴席に座って傍聴してください。
どのような裁判が行われているのかは, 法廷の入口に掲示されている裁判の予定表(開廷表)で確認してください。すべての法廷の開廷表を玄関ホールなどに備え付けている裁判所もあります。
なお,家庭裁判所や簡易裁判所などで扱う非公開の事件(調停,審判等)は,傍聴することができません。
また,傍聴希望者が多い裁判では傍聴券交付手続が行われる場合もあり,その場合には,指定された場所に集合時間までにお越しいただき,傍聴券を入手する必要があります。傍聴券交付手続が行われる 裁判については,傍聴券交付情報をご覧ください。
詳しくは,傍聴に行く裁判所にお問い合せください。
傍聴する際の注意
法廷内では,裁判長が法廷の秩序を保つために必要な措置をとることができますので,裁判長から指示があった場合には,その指示に従ってください。
法廷の入口付近には注意事項が掲示されていますので,ご覧ください。
○法廷内では静かに
法廷の中では,審理の妨げとならないよう,大きな声で話したり大きな音を立てたりしないでください。
○持ち物
携帯電話等音の出る機器をお持ちの方は,法廷内では電源をお切りください。また,危険物や撮影・録音ができる機器等は,許可なく法廷内に持ち込むことはできません。
リーフレット「法廷ガイド」
裁判の傍聴をする方のためのリーフレットです。
「各種パンフレット」のページにおいて内容をご覧いただけます。
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2010年10月29日(金)
京都マラソンコース案発表 [時事]
今日の京都新聞の朝刊に、2012年3月に第1回開催となる京都マラソンのコース案が載せられていた。
コース図を見て一目瞭然、「前半すっきり、後半グチャグチャ」。
「京都の中心部をはずす」という方針が出てから、たぶん宇多野街道(右京区北区の山沿い)を使うのだろうと予想していた。これは当たった。しかしそこだけでは距離が足らないし、残りをどうするかは考えつかなかった。まさかこんなややこしいコースにするとは・・・。この後半のコースは地元京都の人にも説明するのがむずかしい。
一番笑ったのは、廉の通う京都府立大学の前を2回も通ること。北山通りから、とってつけたように北大路通り手前まで往復。ここで、京都府立大学正門前を2回通る。
もしこのコース案が通ったら、廉のフルマラソンデビュー戦やね。あと1年5ヶ月。その時、廉は20歳。楽しみやなあ。
今年の6月10日、私の京都マラソン案を「京都マラソンは京都迎賓館で」という題で書いた。昨日京都市から対案(?)が出たので、ここらでさらにバージョンアップした私の案を発表しますか。
西京極スタートは賛成。平安神宮ゴールは絶対反対。前も書いたけど、あのでかもん鳥居が京都の象徴と思われたらかなん。京都市が、何であの鳥居にこだわっているのかがよう分からん。西京極スタートゴールでいいんじゃないでしょうか。
たぶん交通規制の加減で、京都府警が規制時間が長くなる往復コースに難色を示しているのだろう。ここは、頭使えよー。
西京極スタートで、京都御所で21kmとなるコースを設定する。ここを2時間以内に到着したランナーのみ、西京極のゴールをめざす権利をゲット。(もちろん、西京極のゴール関門は4時間。)
中間点2時間以上かかった人は、「残念でしたー」。御所内周3kmコースを7回お回りー。
西京極にゴールできた人はエリートランナー。御所内周グルグルゴールの人は楽しみすぎランナー。
「おたく、西京極行けましたん?」
「はあ、何とかギリギリで。」
「よろしおしたなあ。私ら御所の砂利道21km走らされましたわ。砂煙がすごうて、もう大変でしたんやでー。」
「そうでっしゃろ。気の毒でしたなあ。」
こんな会話が聞けるかも。
ただしこれでは時間がかかるランナーに気の毒なので、ここは特典を。
御所の宝の持ち腐れ施設「京都迎賓館」を一般開放。もう、いっそのこと迎賓館の横をボーリングして温泉掘りましょ。そして新しい施設、「京都御所温泉・みかどの湯」を建設。当日は、御所にゴールしたランナーのみ、その温泉に入る権利ゲット。砂煙にまみれた体をここできれいにしてしてもらいましょ。
これは、江戸時代が終わるまでここに住んではった過去の天皇さんも喜んでくれはるでしょう。
京都以外の人は、京都と言えば何を一番に思い浮かべるのだろう。私は京都は京都でもいなかから出てきたので、京都といえば御所。日本中探してもあんな施設はほかにない。京都マラソンでは、何らかの形でこの御所を使ってほしいと願っています。
ついでに私が感じる京都人のイメージを。
京都人をひと言で表すと「プライド」。街中のいたるところにあなどれない人がたくさんおられます。
京都には大学がたくさんあるので、若者には優しい街だと言える。しかし、いっぱしの大人に対しては冷ややかである。それも、それをまったく顔に出さない。(おー、こわ!)
これだけは言っときます。京都人のお店で値切るのだけはやめましょう。
「うちの店が熟慮の上につけた値段に不服があるのなら(この値打ちが分からないのなら)、どうぞお引き取りください」と思われるのが関の山です。それを決して口に出しては言われませんが・・・。
京都マラソンに来られるのなら、このあたりの「京都人のこわさ」を覚悟して来てくださいね。
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2010年07月20日(火)
革新は? [時事]
◎毎日新聞京都版7月19日朝刊「支局長からの手紙」より
「連立政権」
参院の京都の投票率(選挙区)は53・71%で全国で4番目に低い数字でした。政治に対する関心が京都は低いのでしょうか。
全国に目を向けると有権者は昨年8月の衆院選で「政治改革」を求め、自公連立政権でなく民主党中心の新しい政権を選びました。ところが、先日の参院選では民主党が大敗し、自民党が改選第1党になる復調を遂げました。
民主党大敗の原因について、菅直人首相の消費税引き上げ発言、「最低でも県外へ移設する」と言われていた普天間飛行場移設問題の迷走、政治とカネをめぐる問題などが指摘されています。
国会で法案を通すには、衆院(480人)と参院(242人)で過半数の賛成を獲得して可決しなければなりません。あるいは、参院で否決されても衆院の3分の2以上(320人)で再可決すれば法案は成立します。ところが現在、民主党は衆院で305人、参院で106人です。衆院では多数派でも参院では少数派という「ねじれ」になっています。どのように国会を運営していくかが民主党に問われるわけですが、一番手っ取り早いのは他党と連立を組むという手法です。参院で過半数になるため、16人以上の数集めをするか、衆院で15人以上増やして再可決に持ち込めるようにすればよいという勘定です。
このため新聞各紙とも連立のシミュレーションとして現在、連立を組んでいる国民新党、新党日本に加え、みんなの党や公明党、社民党など、さらには自民党との大連立などを紹介しています。
連立を議論するならば、今回の有権者の声を最大限に反映し、その期待を実現するためにはどうあるべきかを考えてほしいものです。参院選で有権者が望んだ声とは、民主党大敗の原因を裏返して語れば、「消費税の増税反対」「普天間基地の県外移設」「カネにクリーンな政治」ということになります。これらの有権者の声を実現したいと民主党が本気で考えるならば共産党と社民党に連立を申し入れるのが一番現実的ではないでしょうか。確かに参院で共産党、社民党の議席を足しても116議席で、過半数には届きません。しかし、衆院では321議席になります。衆院で再可決が可能な数字です。
民主党から言いだしにくいのであれば、共産党や社民党から民主党に「連立しないか」と申し入れたらどうでしょうね。民主党が有権者の声に応えるなら、また、共産党や社民党が公約を実現したいのであれば、「中道左派連立政権」は選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
一笑に付されることは分かっています。とても現実的とは私にも思えません。しかし、1票で政治が変わらない、という投票に対するあきらめムードを打ち破るためにも、民主党をそして他党を揺さぶるためにも、このような意外性を政治に期待したいものです。【京都支局長・北出昭】
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昨日の毎日新聞の朝刊を見てビックリした。テレビでも新聞でも誰も発言していない、「民共社連立政権」について書かれていたからだ。毎日新聞は前からすごいと思っていたが、この記事には感心した。
私の青春時代は、地元京都を初め、東京、神奈川、大阪などで社共共闘の革新知事が誕生していた。世の中がどんどんよい方向に変わっていくと実感できた。
しかし、今や自民党と第二自民党のような政党・民主党が幅をきかしている。そして、第三自民党のような政党・みんなの党、第四自民党のような・・・、もう分からん。革新政党は、全体の1割以下に落ち込んでしまった。もちろん革新知事もゼロである。
というか、今や「革新」という言葉は死語かも。毎日新聞京都支局長さんも、「民共社連立政権」を「革新政権」とは呼ばず、「中道左派連立政権」と呼ばれている。たしかに、保守の最大政党である自民党に対抗する政党が、第二自民党的な民主党では、とても革新とは呼べない。
しかし、支局長さんの述べておられるこの部分には注目したい。
参院選で有権者が望んだ声とは、民主党大敗の原因を裏返して語れば、「消費税の増税反対」「普天間基地の海外移設」「カネにクリーンな政治」ということになります。これらの有権者の声を実現したいと民主党が本気で考えるならば共産党と社民党に連立を申し入れるのが一番現実的ではないでしょうか。
たいへん分かりやすい説明です。でも、「一笑に付されるのは分かっています」って、なんでやねん! 「とても現実的とは私にも思えません」って、なんでやねん!
せっかくいい提案をしているのに、自らその提案を貶めるような発言は聞き捨てならん。こんな発言を聞くと、「いいことゆうてるんやけど、○○党だけはねえ・・・」と言っている人と同じ。いいことばっかり言っている党に投票したら、世の中変わっていくかもしれんのに。残念やなあ。
私の提案。
もうここらで、「憲法9条」を守る政党と守らない政党の2つに分けてみませんか。これで分けたら、二大政党の意味もある。ある人が、「憲法は9条だけが上にあって、その他の条文はその下につけたしみたいになっていていい」とおっしゃっていた。私も、その考えに近い。絶対戦争をしない「憲法9条」をどんなことがあっても守っていくのなら、消費税は50%くらいまでならしんぼうできる。本気でそう思っている。
今の私は、言わば「護憲無党派」。
憲法9条だけは守って行ってくれる、「護憲無党派連立政権」(ちょっと表現が変かな?)というのができてほしいと思っている。
Posted by パオパオ パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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