2008年05月07日(水)
辻のかあさん [学校]
今日は、きくちゃんの狂犬病予防注射の日。
きくちゃんのような上等な犬(推定2億円?)は、わざわざ動物病院へ注射を受けに行きます。
西賀茂の「芝動物病院」に着くと、ちょうど受付おねえさんが前の道路におられた。
「いやー、きくちゃん、ひさしぶりやねー。」
すごい。毎日大混雑と言っていいくらい犬猫そのほかが来ているのに、一年に一回この時期しか来ないうちのきくをおぼえてくれてはるなんて。
「顔と名前をおぼえる」 これ客商売の基本中の基本です。
そのおねえさんはもともと感じのいい人ですが、きくの名前をよんでもらえるだけで、またここに来ようと思います。
学校も似ています。
先生がすぐ名前をおぼえて、声をかけてくれる。子どもはそれがどれだけうれしいか、先生方はご存知でしょうか。逆に全然名前をおぼえてもらえなかったり(おぼえる気もない?)、まちがった名前で呼ばれたりした時のがっくりし様。
話は変わり、場所は「コーナン」。
「いやー、先生。お久しぶり。」
「あらら、辻君のおかあさん。」
「先生、ぱっと見て、世話になった人や、声かけなあかんと思って・・・。」
「ありがとうございます。ところで、辻君は、今は?」
「タヒチにいます。」
「えっ?」
「タヒチです。現地の旅行業の会社に就職して・・・。」
「それはすごいですやん。」
「なんかね、あの子が言うには、小さい時から『タヒチ行きたい』てゆってたやろって。私には、そんなこと言ってたかなあってゆう感じなんですけど。」
「おかあさん。今の若い子って、何をやったらいいのかわからへん子が多いのに、そうやって自分のしたいこと見つけて実現したんですからえらいですやん。」
「そうですかー。ただね、まだ結婚してへんのですよ。36にもなってんのに。」
「そんなん、心配せんかってだいじようぶですって。」
「そうですかねえ。」
「ところで、妹さんのほうは?」
「こっちも、まだ結婚せんといますねん。」
「ごいっしょに住んではるんですか。」
「いえ、家は出てるんですけど。」
「えらいですやん。今、いくつになっても親から離れられへん子って多いですよ。そう思たら、家出てるだけでも立派なもんですって。」
「まあー、先生。ちょっとしたとこからじょうずにほめはリますやん。うちの子も大きなったけど、先生も成長しやはった。」
「ほんまですわー。昔は、人のことほめんのんへたやったと思います。今は、すきがあったらほめまっせー。」
新採で大原小学校百井分校に行き、少人数の子の複式を担任した後、今度は上賀茂小学校で5年生43人の担任になった。何の経験もなく、根がいいかげんなので、けっこう問題の多い担任だったかもしれない。
ところが不思議なことに、私がどんなむちゃをしてもどこまでも味方をしてくださったお母さんが何人かおられた。辻君のお母さんも、そのなかの一人である。
辻君には給食を食べささずに帰したこともあった。(話せば長いので、理由はカット。)今なら、大問題です。それでも、辻君のお母さんはわらっておられた。要するに、担任よりお母さんのほうがずっと大物やったゆうことです。今頃でなんですが、未熟だった私をどうか許してください。すみませんでした。辻君、はらへったやろなあ。
あのころ、小学生の友だち同士で母親の話題が出る時、「○○のかあさんは・・・」とよく言っていた。
私も真似て、・・・「辻のかあさん」は、おもしろく、たのもしく、いい人でしたよね。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
吉田君のお母さん、コメントありがとうございます。
もちろん覚えていますよ。「いろいろと迷惑かけ続けた」吉田君ではなく、「いろいろとみんなを楽しませてくれた」吉田君ですよね。吉田君のお母さんも、私のヘマを笑って許してくださったお母さん方のうちの一人だったと思います。ご家族のみなさん、お元気にしておられますでしょうか。
まさかこんな前の記事にコメントしていただけるとは思っていませんでした。2008年に36歳と書いてあるので、吉田君ももう41歳ですか。すごいおじさんですね。小学校卒業から30年近くたっているんですね。今会っても分からないかも・・・。
誰か同窓会を計画しくれたらいいんですが・・・。
ご無沙汰しております。辻くんと同じクラスで、色々と迷惑かけ続けた吉田です。覚えておられたら、またご連絡御待ちいたしております。