パオパオだより

　今日も大学警備のバイト。
　一日のうち一番長いのは、警備モニターによる監視の時間。
　と言っても、ほとんど真剣には見ていませんが。

　夕方から順次戸締りをしていく。その一回目が終わり、何気なく警備モニターを見ていると「前庭に不審者！」
　旗の掲揚ポールの下あたりをウロウロする・・・、それは人影ではなく猫ちゃんでしたー。

　「あらま、アンイやん。パオパオに会いに来てくれたんやな。」

　急いで前庭まで。
　そしたら、まだアンイはいた。

　小石を敷き詰めた前庭は、猫にとってはすごく気持のいいところみたい。

　「あれれ、どこ行くん？」

　私はまた建物の中へ。

　「なーるほど、バッタを狙ってたんか。」

　でも、捕まえられなかったようだ。

　もう次の戸締りの時間になったので、ここでさようなら。
---------------------------------------------------------------------------------

　戸締りから戻って「もうおらへんやろなあ」と思いつつも、念のためもう一度前庭へ。

　「おったー。」

　「アンイ、オッサン待っとってくれたんか。」

　「べつにー」と言いながら、アンイは私にお尻を向けた。

　でも、「アンイ」と呼べば立ち止まってくれる。

　「ほれほれ、写真撮りたいんやろ。撮っときやー」って言ってるみたい。

　「それでは失礼します。」

　大学の柵を超え、アンイの姿は見えなくなった。

　ここで、また次の戸締り。
　一気にできたら楽なのだが、小まめに戸締り時刻が設定されているのでたいへん。
----------------------------------------------------------------------------------

　しばらくして、また念のため大学の南の路地に入ってみた。

　「おったー。」

　こんなにうまい具合に会えると、ほんとうに私を待っていてくれたと思ってしまう。

　不審猫を追いかけていたつもりだったが、これでは私が不審者そのものだった。
　それはもう、警告レベルだったかも・・・。

　「いやー、アンイやんか。こんなとこで会えるとは。」

　バイトのときはいつも、大学から１００ｍほど南にあるコインパーキングに車を入れる（２４時間７００円）。
　そこからの途中、私の猫センサーが「ピピピ」と反応。早朝でも、この特殊能力は鈍っていない。

　「アンイ、おはようさん。今日も１日がんばるわ」と言ったのに、アンイはちょっと逃げようとした。

　「逃げんでもええのに」と言ったら、立ち止まってっちをむいてくれた。
　「ああうれし。これでがんばれるわ。ありがとう。」

　今日は大学の定期清掃の日。
　教室を開けに行ったり閉めに行ったりで、けっこう忙しかった。

　大学周辺巡回に行くと、足元に芸術。
　クモの巣に花びらがひっかかっている。
　美術工芸大学の近くのクモは、芸術性があるのかも。

　今日の４００円ランチはトンカツ。
　こないだの木曜もトンカツだった。続くねえ。

　後々の巡回では、久しぶりのロージィー。
　しばらく見なかったので心配していたが、いつもの場所で寝そべっていた。

　ちょっとこっちに来るふりして、また上に上がっていった。

　夕食は、昨日コンビニで買っておいたパン。
　けっこう大きくて、お腹がふくれた。

　夜７時、トイレに行こうとしたら私の猫センサーが「ピピピ」。
　なんと、正門からアンイがこっちをのぞいている。
　こんなところで見たのは初めて。

　「オッサンに会いに来てくれたんか。」

　アンイはかわいい顔でこっちを向いてくれたが、そのあとサッサと歩いて行った。
　「写真撮るヒマなかったやん。」

　今日はアンイに始まりアンイで終わり。こんないい日はないなあと思っていたら最後に落とし穴。
　夜９時で全教室から退出という決まりなのだが、今日は９時２２分まで粘った者がいた。５分１０分くらいならこちらもしんぼうするが、さすがに今日はブチギレた。

　「いいかげんにしてください。時間延長は一切認められていません。みなさんが帰ってくれないと、私も帰れないんです。ここに泊まってるわけじゃないんですから。」

　先生と学生のペア。
　私の言ったこと、分かってもらえたでしょうか。
　ブチギレはこちらも不愉快。
　「仏の（？）パオパオ」を怒らせるなよ。

　「あんい、ひさしぶり。あっ、逃げんでもいいのに。」

　今日の最初の巡回で、あんい発見。
　しばらく見ない間に、だいぶ大きくなり若者らしくなっていた。

　ちょっと私のことを思いだしてくれたのか、立ち止まるあんい。

　「なーんや、逃げんでもよかったんか」と言っているよう。

　落ち着きました。

　この顔つきはオスのような気がするが、どうなんでしょう。
　痩せてはいないから、エサはもらってるみたい。

　ずっとずっと長生きしてね。

　私のバイトは、大学の警備。一応朝７時３０分から夜の１０時３０分まで。間に休憩が２時間半あるが、拘束時間は１５時間。それにサービス早出もしているので、通勤時間も入れると１７時間近くになる。
　「ながすぎるー。」

　月水金がＹさん、火木が私、土日がＳさん。ＹさんもＳさんも７０歳代で、かなり前からこのバイトをされている。
　今日月曜はほんとうはＳさんの日だが、お盆休みで私の勤務日が２日も飛んでしまったので、臨時に入れてくださった。　
　明日と２日連続になってしんどいが、そんなことは言ってられん。

　単調な仕事で、時間が長いのでかなり疲れる。
　今の楽しみは、ときどき出くわす猫ちゃんくらい。

　今日も私の猫センサーは健在。
　道路脇のちょっとした動きも見逃さなかった。

　「あらー、初めまして。」

　ちょっと困ったような顔していたが、逃げない。
　これはいい猫ちゃん。
　よく見ると桜耳。

　「おっちゃん時々通るし、また出てきてやー。」

　名前は全然思いつかない。
　「ポロンちゃんにしとこー。」

　いつもの路地には、「ロージィー」。

　今日は長い間、私の方を見てくれていた。

　午前中はいないのに、午後は必ずいる「ロージィー」。
　もうだいぶ常連さんになってきた。
　これからもよろしくねー。

　しばらく会えてなかった「まさむね君」。
　今日はいつもの大学前のバリカー閉鎖のときではなく、７時過ぎにトイレに行ったとき。なにげなく歩道側を見ると、ワンちゃんがウロウロしているのが見えた。
　もしや「まさむね君」ではないかと近づいて行くと、そうでしたー。

　飼い主さんいわく。
　「いつもここで、警備員さんがいないか探しているんですよ。」
　そう言ってもらうとうれしい。

　何かいつもとちょっと違うと思ったら、まさむね君、ヘアカットをしてもらったらしい。
　「わこう見えますやん。」　
　「みんなにそう言われるんです。」

　そらよかったわ。
　まさむね君は今日も元気に「ワン、ワン」。
　なかなかタイミングが合わず、しょっちゅう会えるわけではないけど、おっちゃんのこと覚えといてやー。

　今日の夕方、ますみさんが超久しぶりにちょこっと走ったらしい。
　昨日、結婚記念日のプレゼントということでランニングＴシャツとキャップを買った。ただし私は給料日前でお金がないので、プレゼントする相手に支払いを代行してもらうという情けないことに。

　自撮り写真を見せてもらうと、後姿は「若こう見える」。
　これで、９月１日の北海道も気持よく走ってもらえたら最高！

　昨日の夕方、バイト先からメール。

　「Ｙさんが体調不良なので、代わりに勤務していただくことはできないでしょうか？」
　「すみません、今メールを見ました。明日は町内の地蔵盆の準備が午後４時からあります。午後３時までなら行けますが、町内の行事は休めません。申し訳ありません。」

　結局、「３時まででいいので来てほしい」ということになった。

　予定が狂ってしまったが、朝一から「ロージィー」に会えたので良し。

　ずっと曇り空で風もあり涼しかった。
　ところがお昼前くらいから晴れ間が広がり、やっぱり気温が上がってきた。

　今日はてっきり学食が休みと思っていた。ところが営業。
　暑い中、食べに行くかコンビニに行くか迷っていたが助かった。
　ポン唐（鶏唐揚げのぽん酢がけ）、おいしかった。これ、初メニューですね。

　午後３時、Ｙさんと交代。
　丸１日代わってあげたかったが、町内行事に間に合うように急いで帰らなくては。

　ちゃんと時間に間に合い、テント立てやらイス並べやら。ちょっとはお役に立ちましたでしょうか。
　明日の地蔵盆、うちのお孫ちゃんがお世話になります。よろしくお願いいたします。