2016年10月13日(木)
「宝くじ買いよし」 [雑用]

今日から仕事に復帰。
「重労働はお勧めできませんが、それ以外ならだいじょうぶですよ」と聞かされていた。重労働系のガードマンは当分あかんかねえ。でも寮のバイトだけではねえ・・・、収入が。
寮の管理代行は時間がとてつもなく長いが、上手に過ごしたら体は楽。
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藤井さん、手術されたんですって?」
今まであまりしゃべったったことのない食堂パートのTさんが話しかけてこられた。
「もうだいじょうぶなんですか。」
「一応退院はしたんですけど、病理検査の結果が悪くて、また検査受けなあかんのですよ。」
「そうなんですか。実はうちの娘も先日同じ手術を受けまして、今はすっかり良くなってますよ。」
「それはよかったじゃないですか。ボクも腫瘍取ったらそれでしまいとばっかり思ってたんですけどね。うまいこといかんもんですわ。」
「大変だと思いますけど、お大事になさってください。」
「ありがとうございます。」
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8時45分には、掃除のKさん。いつもコーヒーをおごってくれはるおばちゃんです。
「藤井さん、どうやったん。」
「はい、ありがとうございます。手術はてこずったみたいですけどなんとかうまいこと行きました。でも取ってもらった腫瘍を調べてもらったら悪性で、全身に転移している可能性もあるらしいんです。それの検査をまた受けんならんのです。」
「あら、それはたいへんやん。」
「大きな声では言えませんが、はっきりゆうて癌です。」
「甲状腺の癌なんて聞いたことないえー。」
「そうでしょ。めちゃくちゃめずらしいんですって。」
「ガーンときた?」
「も−う!」
「でもそんなめずらしいもんに当たるんやったら、藤井さん、宝くじ買いよし。きっと当たるえー。」
「それがね、ボクは悪いことはよう当たるんですけどええほうさっぱりあきませんねん。ヨメさんが一番ええのん当たってるから、しょうがないですねえ。」
この最後のいっちゃん肝心なところがうまく言えなかった。「ガーンときた?」に食われてしもたなあ。次回までにきっちり修行しとこ。
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午前中に、大学時代の同級生・としさんからメールが来ていた。
◇ ◇ ◇
おはよー!
久しぶりに きくの様子を見にいったら きくは可愛い
あれ〜 おっさん入院してはった ビックリ!!
(中略・としさんの病気について)
病気とのお付き合いの先は長いので
ペース配分を気負わず
のんびりやりましょう
◇ ◇ ◇
お互いメールアドレスは知っていても、決してメールをしない仲。
そんな彼女からのメールはありがたかったが、かえってそれが私の病状が深刻なものなのかとも思いめぐらしてしまう。
それにしても、なんぼ病人の大先輩とはいえ、「きく」は「きくちゃん」、「おっさん」は「藤井君」にしてもらわんと。たのんまっせ。
これは仕返ししとかんと。
◇ ◇ ◇
メールありがとうございます。藤井です。
私もかなりめずらしい「甲状腺低分化癌」というのになりました。
腫瘍をとったらしまいと思っていたのに、全身に転移している可能性があるらしいです。20日にPET検査で、31日に今後の治療方針が決まります。さてどうなることやら・・・。
としさんのことを「死にかけの」と紹介していたのに、今は自分が死にかけています。死にかけの大先輩に、平常心を保つ心構えを教えてもらわなくては。
◇ ◇ ◇
それに対する返信。
◇ ◇ ◇
(前部分略)
医者はいつも最悪の話をするので
自分におこるかもしれない他人事として妄想しないでね
ペット検査は 薬を血管注射して
水飲んで寝てたら終わるから 楽勝や
ケータイ 電池ない
帰ったらまた
◇ ◇ ◇
「最悪の話」、それは分かっとるんやけど、どうも最悪が現実化しとるようで不安なんじゃー。
病気の大先輩・としさんののように、なかなか平気っぽくはなれんなあ。
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真樹からもメールが来た。
マネージャーをしていた名桜大軟式野球部が、5年ぶりに西日本大会に進出。11月5日に兵庫県で試合があるらしい。
「パオパオも一緒に応援行きますか??」
「行けますよー。」
ああうれし。真樹が帰ってきてくれる。
真樹は私のようにお気楽人間ではないから、私の病気のことを真剣に考えてしまってかわいそう。だから情報も、このブログにちょっとずつちょっとずつ小出しに。
とりあえず、今できることをできるだけ楽しむようにしていきましょう。
きくちゃんも、待ってるしー。

寮長寮母さんからの退院お祝い
久しぶりの仕事はやっぱりしんどい。
17時間は長かったー。
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【今日のきく】
夜12時前に家に帰る。
いつもはきくちゃんがひょろひょろひょろとお出迎えに来てくれるのに、今日はなし。なーんか元気ない。
でも、寝る前に「きくちゃん、あそぼか」と言うと、「ガウガウガウガウ、ガウガウガウ。」
「なーんや、あそびたかっただけやん。よかった。」
きくちゃんのこと「かわいい」って言ってくれはる人もいるんやし、またかわいい写真撮らせてな。
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2016年09月21日(水)
一畳部屋の・・・ [雑用]

「こうじさんこうじさん、れんちゃんがどこ探してもおらへんねん」と、ヨメさんが血相を変えて走ってきた。
「えっ、どうゆうこと?」と、石垣のところで日向ぼっこをしていたネコをなでていた私は聞き返した。
「川の横を歩いてたっていう人はたくさんいやはったんやけど・・・。」
「流されたんかもしれん! 川下さがしてみよう。」
それから二人で、「れんちゃーん、れんちゃーん」と大声出しながら川沿いを下って行った。
「ますみちゃん、きっとここやわ。れん、れん、おらんかー。」
「パオパオー!」
私が目を付けた川のくぼんだ所から廉の声。
「ちょっと待っとき、すぐ行くし。」
川に降りると、廉がくぼんだ所にはまってしまい出られなくなっていた。そこらにある木の枝を使って、邪魔しているゴミをかき分けた。そしたら、廉がコロコロと・・・。
「ますみちゃん、よかったよかった、れんが出てきたわ。」
えっ、でも、廉て小学生やったっけ・・・。
そこで目が覚めた。
今日は寮1(二条)の管理代行17時間。
今の寮長寮母さんはずっと寮におられるので、私が宿直をすることはほとんどない。よって、一畳部屋のベッドも撤去。代わりに130cmほどの長いすが置いてある。
午後1時から3時ごろまでは窓口業務も休けいということで、「この長いすで寝転んでください」と言ってくださっている。ただし、電話はかかってくるし、寮生が呼び出すこともあり、ゆっくり休めるという感じではない。第一、寝るには狭すぎるし。
今日も横になってうとうとした時、「こうじさんこうじさん・・・」の夢。
廉はもう25歳なんですよね。かわいいお嫁さんもいて、しっかり働いているんですよね。私は廉のことを心配したこともないのに、今は私の病気のことを心配してくれてるんですよね。
生まれてすぐから出張販売に連れてきて、何回も危ない目にもあわしたので、それが今ごろ夢になって出てきてるんかな。
でも、10歳くらいの廉が「パオパオー」ってゆってた場面はかわいかった。まあ今日のは悪夢ではないでしょう。
これからもこの一畳部屋でうたた寝をすると、また小さい時の廉や真樹が夢に出てくるんかなあ・・・。
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2016年09月07日(水)
たまごたまご栗 [雑用]

今日は寮1(二条)。久しぶりの泊りの予定で24時間。
今日の食堂のメニューを見ると、朝食は和食も洋食も玉子オーブン焼き。
「またかい、またかい。また朝昼タマゴかい!」
できるだけ玉子を残し、中に入っているハムとかをほじくり出して食べた。
夜は大好きな栗ご飯。
「こりゃうまい」と思いながら食べていたら、「おおかたさつまいもやーん。」
でもおいしかったです。
今日、京都走ろう会会長の松山さんからメール。昨日の私のブログの記事がよかったと。「1日平均4000アクセスも、いったいだれなんやろう」といつも思っているのだが、松山さんもその内のお一人でしたか。ありがとうございます。こんなメールをいただくと励みになります。
寮長寮母さんが早く帰ってこられ、私も泊まらなくてよくなった。
さあ帰ろうかとなって・・・。
急に帰ったら、ヨメさんびっくりするやろなあ。いやいや、やぐっちゃんみたいに男連れ込んでたりして・・・。それはないそれはない。今日雷が鳴っているときにきくのお散歩に行き、帰らないというきくを抱っこして帰ったそうだ。体重17kgを500mやてー。お疲れさんでしたー。
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【今日のきく】
「きくちゃん、オバサン困らせたらしいな。」
「へっへっへー、もう忘れた。」
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2016年09月06日(火)
なじむとけこむ [雑用]

今日は寮2(出町)、7時から19時の12時間。
甲状腺腫瘍の検査結果が出るのがまだ先のことで、とりあえずは寮の管理代行のほうは予定通り。ただこの先どうなるか分からないので、ひやひやもんです。
上の写真は地下のボイラー室。この寮は各部屋にはシャワーしかなく、その代わり地下に大浴場がある。その準備をするのも管理人の大事な仕事。毎日5時からがおふろの時間なので、4時前にボイラーのスイッチを入れに行く。
この地下室の扉が、気圧のせいか開き閉めしにくい。前にドアに木を挟むのを忘れ、「地下室閉じ込めかー」と絶望しかけたことがある。なんとか出られてよかったけど。
おもしろいことがいろいろとあったのだが、ここには書けない。残念!
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今日も朝日と日経のチェック。3時間くらい読みふけっていた。いろいろあったが、一番良かった記事はこれ。
初めて兵庫・ゆめさき舎を訪れたとき、松本さんから「藤井さんはこの中に完全に溶け込んでいますね」と言われたことを思い出した。そう言ってもらってうれしかった。
◎朝日新聞9月3日朝刊
障害のある2人を育てて
健常児に近づけなくては。でも、2人とも療育なんて無理――。東京都の柴田靖子さん(51)には、重度の障害がある2人の子どもがいます。異なる環境で育てる中で、大きな発見があったと言います。

柴田さんの社会人の長女(19)と、中学3年の長男(14)は生まれつき、脳内に髄液がたまる水頭症という障害がある。症状は人により様々だが、2人は言葉を発せず、車いすを使い、生活全般に介助が必要だ。だが、育ってきた環境は大きく異なる。
長女は1歳前から親子で療育施設に通い、同様の障害がある他の子と共に歩行や発話の訓練を受けた。「発達させて健常児に近づけようと必死でした」と柴田さんは語る。
■見分けつかず
5歳になる直前に長男が誕生。全てに介助が必要な日々に疲れた。「2人とも療育なんて無理。もう息子は発達しなくても、元気に育ってくれれば」と、生後7カ月で近所の一般の無認可保育園に入園させた。「捨て子をするような重い気持ちで」預けた初日、迎えに行くと、他の子に紛れて見分けがつかなかった。療育中心の生活で、健常児と全く接点がなかった柴田さんには、目からうろこが落ちる思いだった。
その後、特別支援学級に通う小1の長女を放課後、地元の小学校の学童保育に預けた。療育訓練を受けても目の前の物に手を伸ばせなかった娘はブロック遊びに熱中し、職員の目を見て静かに話を聞くことを「勝手に」学んだ。
柴田さんの「健常児像」も崩れた。何でも問題なくできると思っていたが、それぞれ個性があり、ぶつかりあい、「スゲー」とほめあって育ち合うことに初めて気づいた。
「特別な場所で無理なことを克服させるより、多様な人間関係の中で、できないことは助けを借りる力をつけてやれば、社会でも生きていけるのではないか」。幼少期に集団の中でもまれ、たくさん葛藤する経験が必要と感じた。
■分離って必要?
障害の早期発見、療育という傾向にある現在、「違い」を理由にいじめられないように、迷惑をかけないようにと、「専用コース」に誘導される流れが広がる。
長女は学童保育を退所後、健常児と日常的に過ごす場がなくなった。特別支援学校で義務教育を終え、現在は福祉作業所に通所する。「いったん分離されると『合流』は本当に困難。大人が時折設ける『交流』では、友達になるどころか、関われない存在だと再確認させる面もある」と話す。
こうした分断が、「障害者は不幸」という考えで引き起こされたとされる相模原市の障害者施設での殺傷事件や、容疑者に同調する一部の世論の背景にあるとみる。
長男の就学時にも教育委員会から特別支援教育を勧められたが、学区内の公立小・中に進んだ。鉛筆を握ったまま動かせない手を介助者に支えてもらって文字を覚え、今ではタブレット端末の文字盤アプリで自由に会話もできる。冬には高校受験に挑戦する。
一方の長女は、問いかけに、限られたジェスチャーで答える形で会話する。
しゃっくりのように突然、所構わず声が出るチックの症状もあるが、それを理由に外出を控えることはしない。「居合わせた人にはお気の毒と本気で思います。半面、娘の声が、高齢者や赤ちゃん連れのお母さん同様、多様な人の存在を知らせ、社会を鍛えることにつながってほしいと願う気持ちもあるのです」(前田育穂)
◇
しばた・やすこ 日本水頭症協会で刊行物を担当。近著に「ビバ! インクルージョン 私が療育・特別支援教育の伝道師にならなかったワケ」(現代書館)。
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「多様な人の存在を知らせ、社会を鍛える」って、いいね!
先日ヨメさんから聞いた話。
あるお母さんが、「娘のクラスに障害児がいて、そのせいで授業が遅れて困る」とおっしゃっていたそうだ。そのお母さんは、その障害児がいなくなればいいと思ってらっしゃるのでしょうか。他のクラス→他の学校→他の地域・・・、まさかこの社会から!?
自分が存在する理由は人それぞれちがうのかもしれないが、私はだれかを喜ばせたいと思って生きている。できれば目立たない忘れられがちな子や人を。
障害というものがあれば、喜びを得るまでに他の人より時間がかかるかもしれない。でももしそのお手伝いができたら、こんなうれしいことはない。できるだけ多くの人の笑顔を見たいと思って生きている。
今までほとんど何の役にも立たなかった私でも、この先何か役に立つことがあるかもしれないと常々思っている。そのためには「多様な人の存在を知らせ」てもらわなければ。そこから何かが始まるかも・・・。
「自分を鍛えようぜ!」
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【今日のきく】
今日はオバサンに置いて行かれ、朝から夜までシッコも行けなかったきくちゃん。
ようしんぼうしたね。
その分、夜に2回のお散歩タイム。すまんかったな。
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2016年09月01日(木)
おばちゃんのコーヒー [雑用]
今日は寮1(二条)、17時間。
毎度おなじみ、そうじのおばちゃん。いつも11時ごろにコンビニのコーヒーを買ってきてくださる。
しばらくして苦笑いしながらもう一度来られた。
「私な、コーヒー買ったときドーナツも買ったはずやのに忘れてて・・・。たしかに腰にくくりつけて帰ってきたはずやのに・・・。なんぼ考えてもおかしいし、今もう一回コンビニ戻ってみたんや。そしたら、コンビニの前に落ちてたわー。踏まれてへんしだいじょうぶえー。食べてー。」
笑える話でしょ。
いつもいつもありがとうございます。
今度また、なにかおみやげ持ってきますね。
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2016年08月26日(金)
壁にへばりつく [雑用]
昨日の記事のタイトル「冥土の土産に」は評判がよかったようだ。今日は久々にアクセス数が5000を超えそう。
それに引き換え、今日の「壁にへばりつく」はあかんね。「なんやねん、なにが言いたいねん」ちゅう感じですね。
今日は寮2(出町)。
体力的にきついガードマンの仕事は休ませてもらっているが、寮の管理代行の仕事はできるだけ休まずに行こうと思っている。ちゃんと行けば、月10万を超える収入はありがたい。それやのにブログのカテゴリーでは「雑用」扱いはひどいかな。
寮の管理はヒマな時間が長い。管理人室でボーとしていると、壁にへばりついているクモを発見。全然動かないので触ろうとすると、さささささと動き出した。垂直の壁やのに、じょうずに動き回るねえ。
このクモを見習って、私もさささささと壁にへばりついて生きていこうと思った次第です。(なんのこっちゃ!)

今日のお昼ご飯はどうじゃろな。脂っこいもんやタマゴの黄身は入っとらんかな。
ヒマな時間は、恒例朝日新聞と日経のチェック。
朝日の金曜夕刊の、綿矢りささんの連載「私をくいとめて」を読むのが楽しみ。わたせせいぞうの挿絵もいい。
日経の「それでも親子」シリーズにも綿矢さんが登場。「実は昨冬、第1子となる男の子を出産し、私も母親になりました。・・・」なんとなんと、知らんかったなあ。そらもう32歳ですもんね。
うちの廉や私の兄と同じ紫野高校出身の美人作家。お母さんが英語の先生やのに、ようぐれんかったなあ。先生の子にあんまりいいイメージはないのだが、綿矢りささんはええね。
夜の見回りの時、お向かいのお店で楽しく飲んでいる人々が見える。
「ええなー」と指をくわえて眺めるだけのパオパオでした。
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