パオパオだより

2024年11月19日(火)

いつでも来てくださいね [アルバイト]

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 「入ってもよかったでしょうか。」
 「はい、どうぞどうぞ。グランド、食堂、ギャラリーなどは、どなたでも入ってもらってだいじょうぶです。」

 東館に用事があってグランドを横切ろうとしたとき、校舎前のベンチに座られていた女性が話しかけてこられた。お二人連れの片方の方。
 かっこうだけはいっちょ前の警備員の私を見られて、なにかとがめられるとでも思われたのかもしれない。

 「実は、私、ここにあった小学校を出てるんです。」
 「あー、そうなんですか。貞教小学校・・・。」
 「はい。久しぶりに来たら、門が開いていたいたんで入らせてもらいました。」
 「あの校舎(今は北館と呼んでいる)で勉強されてたんですね。」 
 「はい、東側の校舎はできたばかりで。大きな給食室ができて、そこから教室に運ぶのがうれしくて・・・。ちょうど60年くらい前になりますね。」

 ということは、66歳から72歳の間。私とほぼ同年代の方だった。
 「今は、住んでいた家ももうないんです。今日はお墓参りに来て、ちょっと小学校も見てみたくなって寄らせてもらいました。」
 「ありがとうございます。この校舎しっかりしてるんで、まだまだ使えそうですよ。」
 「そうですか。」
 「遠慮なく、またいつでも来てくださいね。」

 私が「校舎がしっかりしている」と言ったとき、お顔がパッと明るくなったのが印象的だった。母校をほめらたらうれしいもんです。

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 今日は冷え込んだせいか、いつもの場所にいつもの猫ちゃん見当たらなかった。
 「久しぶりの猫なしデーか」と落胆していた。

 でも最後の巡回で、「いたー、ロージィー」。
 いつもは防火バケツのあたりにいるのに、今日はだいぶ前の方に出てきていた。私の足音を聞き分けてた?

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 そのとき、ふっと思いついた。
 「ロージィーは宇良ちゃんか?」

 大学の裏門前のアパートでかわいがられていた宇良ちゃん。去年の12月、突然姿を消した。てっきり、アパートの方が中に入れて飼っておられるものだと思いこんでいた。でも、あれ以来まったく姿を見ないのはおかしい。

 「ここに引っ越したんか?」

 ロージィーは宇良ちゃんによく似ているけど、ちがうような気もする。
 黒猫はみんなおんなじに見えるなあ。
 今日は、「いつでも来てくださいね」みたいな感じでお迎えしてくれたね。
 だんだんロージィーとの距離が縮まって、うれしい。

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 このごろ、夕方の休憩でカップ麺を食べている。
 「塩分注意!」
 汁は飲んだらあかんでー。

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