パオパオだより

2015年05月11日(月)

「華氏451」 [映画]

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◎なつかしの映画館 近松座より

■物語

焚書隊が出動する。現在の消防隊の姿に似ているが、目的はまったく違う。物語の時代は書物を禁じた世界。焚書隊は書物を見つけ次第火炎放射器で焼き尽くすのが使命である。

隊員のモンターグ(オスカー・ウェルナー)はまじめな仕事振りで昇進間近だった。ある日、仕事帰りのバスの中で、妻とソックリな娘メイ(ジュリー・クリスティ:妻と二役)と出合った。メイは言った。「昔は火を消すのが仕事だったって本当?」 「・・・・」 「何故、本が駄目なの?」 「本はガラクタだ。何の役にも立たん。本は人を不幸にする。反社会分子をつくる」
しかし、モンターグは娘に惹かれた。

家では妻リンダが例によって大型テレビを見ていた。家には活字らしいものは何も無い。生活の中心は大型画面のテレビである。しかし、モンターグは自分の部屋に密かに本を隠し持っていた。焚書隊の仕事で掠めてくるのだ。彼は本が読みたくて仕方が無い。チャールズ・ディッケンズを読み始める。

ある日、モンターグはメイの教室へ招かれた。「夕べ、本を読んだ・・・」モンターグは告白した。メイの部屋には本が沢山あった。モンターグは複雑な心境だった。本来なら焚書隊として、これらの本を焼き尽くさねばならないのだ。

モンターグは老婦人の家へ出動した。家の中は書物が溢れていた。集められた書物の山へガソリンがまかれた。隊長は言う。「哲学書は有害だ。小説より始末が悪い。人間の運命は決定されていると説く。アリストテレスなどは読むと自分が一番偉くなったと信じ込む。だから、本は焼かねばならん。全部な!」
老婦人は本の山の中に立った。そして、マッチに火をつけた。「・・・本は生きものよ・・・」 火は本の中に放たれた。老婦人は本と共に炎に包まれたのだった。政治に対する抗議の自殺だ。

モンターグは悩んでいた。メイからは「本の人々が住む村」の存在を聞いていた。そこでは、各人が本そのものになり、総てを暗誦して、内容を後世に伝えようとしているのだ。

ある日、モンターグは仲間の密告で逮捕される寸前、隊長を火炎放射器で殺し、逃亡した。
モンターグの姿が、「本の人々が住む村」にあった。そこには多くの人々が各人の一冊を歩きながら暗誦しているのだった。メイもいた。モンターグはエドガ−・アラン・ポーを暗誦し始めた。

■映画館主から

レイ・ブラッドベリのSF小説の映画化です。原作はナチの焚書にヒントを得たといわれますが、確かに焚書隊のコスチュームはナチスの兵服にソックリです。読書を禁じ、思想統一を図ろうとする全体主義に対する痛烈な批判です。
ヒッチコキアンであるフランソワ・トリュフォーは音楽に「めまい」のバーナード・ハーマンを起用。そのせいか、音楽の雰囲気が「めまい」にソックリです。ジュリー・クリスティーが妻とメイの二役を演じますが、「二役」というのも「めまい」の影響ではないでしょうか。

主演のオスカー・ウェルナーは同じくフランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」(’61)で注目されました。「愚か者の船」(’65)では、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。
それと「ドクトル・ジバゴ」(’65)のジュリー・クリスティ。妻役よりもボーイッシュなメイ役の方が魅力的でした。
しかしながら、文字のまったく無い世界では私たちは生きていけません。本好きな私などは気が狂うかも知れません。
トリュフォーは徹底的に文字の無い世界を描きたかったのか、映画が始まるとタイトル文字もスタッフ、キャストの文字もありません。ナレーションでそれを処理するというアイデアです。さすがに後半、本を読むシーンが出てきて、ラストは“ END ”の文字で締めくくります。

題名の「華氏451」とは本に火がついて燃え出す温度だそうです。
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 今日はゆっくり。
 午前中「あいおわ治療院」午後に「アリス歯科医院」というパターンは同じ。しかし今日は歯科医院が11時半からだったので、午後に時間ができた。
 これは久しぶりの映画へGO、それも「京都みなみ会館」だ。今月末使用期限の会員チケットを使わなくては。

 前から見たいと思っていた「華氏451」。
 1966年の作品なので、私が小5のときですか。

 うなった。この映画はうなった。
 私的には傑作中の傑作です。

 一番印象に残った場面は「焚書」の場面ではなく・・・。
 薬物中毒で意識不明になった主人公の奥さんを、主人公が発見する場面。急いで救急車を呼んだが、訪れたのはあやしい二人組。「全身の血を入れ替えますから。1時間ほどで済みます。」その作業が終わったあと、「これで奥さんはビンビンでっせー」みたいな言葉を残して去っていく。ありゃなんじゃい?

 まあ、ごちゃごちゃ解説してもムダ。見るべし。

画像(256x320)・拡大画像(440x548)

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【RUN】

 「あいおわ治療院」で。

 「藤井さん、円皮鍼(えんびしん・・・丸い形をして皮膚内にとどめておく鍼の総称)されてるじゃないですか。どこで手に入れられたんですか。」
 「あっ、肩に貼ったやつははがしたのに、足の分はがすの忘れてましたね。実はうちのヨメさん、去年から鍼灸の専門学校行ってますねん。それで、これしてもらいましてん。ボク、ほんまの長い鍼は苦手で・・・。」
 「そうやったんですか。それはすごいですね。実は私も針は大の苦手で、前に打ってもらったら40度くらいの熱が出たんです。針は合う人と合わない人がはっきりわかれてしまうんで、経穴(けいけつ・・・気の通り道である経絡上に点在する点。一般的にツボとも呼ばれているが厳密には異なる)のほうに特化してやっていかれたほうがいいように思います。」
 「うちのヨメさんは、『ランナーの痛みをなんとかしてあげたい』ってゆうてますわ。」
 「それはいいことですね。いずれどこかで働かれるのだと思いますが、よかったらうちに来てください。」
 「ありがとうございます。そんなゆうてもろたらヨメさんよろこびますわ。帰ったら伝えときます。」 

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円皮鍼

 でも働くとかどうとかの前に、国家試験は? いやいやその前に卒業は?
 今はまだまだその段階の話です。あと2年、がんばってもらわねば。

画像(240x320)・拡大画像(480x640)

 右アキレス腱外側の痛みは、骨盤のゆがみから来ているらしい。高橋大輔似の先生にテープをしてもらった。

 足の具合が良くなるまで、長い距離は走らない。
 また練習最短コースの3km。18分06秒。これくらいなら、ほとんど痛みは出ない。このあと土のコースを中心に2kmほど。当分、こんなもんですかね。

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